イスラエル軍、ガザ・エジプト境界を全域制圧
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR300LN0Q4A530C2000000/
『2024年5月30日 9:03
イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザとエジプトの境界地帯全域を制圧したと発表した。ガザとエジプトをつなぐ地下トンネルを掌握し、ガザへの武器密輸を阻止すると主張した。境界地帯ではイスラエル軍とエジプト軍の銃撃戦が発生し、緊張が高まっている。
境界地帯は通称「フィラデルフィア回廊」と呼ばれ、全長は約14キロメートル。イスラエル軍のハガリ報道官は「回廊で約20の地下トンネルを発見し、制圧した」と…
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池内恵
東京大学先端科学技術研究センター 教授
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ひとこと解説 イスラエルは、1978年のキャンプデービッド合意と翌年の平和条約締結によりアラブ世界で最初に対イスラエル和平に踏み切ってくれたエジプトとの関係を危機に晒している。
イスラエル側は、表向きの批判とは別にエジプト治安当局との水面下でも秘密の意思疎通はできていると主張して、エジプトなど友好国からの批判に向き合わない傾向が強くなっているが、友好国をいわば裏表のあるいわば「嘘つき」として扱って得られる外交的利益は少ない。
またエジプトが民主主義や世論を治安当局が圧殺できる国家であると前提にしているが、軍の一般兵卒の離反といったエジプトの体制を揺るがしかねない緊張を隣国にもたらしていることへの自覚に乏しい。
2024年5月30日 10:54』