韓国経済において「庶民金融の最後の砦」とされる、カードローンという存在

韓国経済において「庶民金融の最後の砦」とされる、カードローンという存在
https://sincereleeblog.com/2024/05/28/kariruka-sinuka/

『2024年5月28日 2024年5月28日

23日に、政府や公共機関が行ういわゆる「政策庶民ローン」関連をエントリーしたことがあります。

金利は最高で11.5%と安く(これをやすいと書かないといけない時点でいろいろ複雑ですが)、審査はあるもののの政府がやることなので大勢の人たちが利用していますが、月数千ウォンの利子がちゃんと返せず、公共機関による代位弁済が13兆ウォンを超えた、という内容でした。

こういうの、ちゃんと延滞率としてカウントしているのかも気になるところですが・・

そこはともかくして。時期を同じくして、毎日経済やマネーSなどを中心に、カードローン関連記事も大幅に増えました。

カードローンとは、カード(キャッシュカード含めて)を使って、そのカードを作るときの契約に定められた条件(限度額など)でお金を「借りる」ことができるシステムです。
最近、第1金融圏(普通の銀行)と第2金融圏(貯蓄銀行など一部ノンバンク領域)では、新規ローンや満期延長などのハードルが大幅に上がりました。

第1金融機関(普通の銀行)が、後述しますが信用点数900点以上でないと新規ローンが組めない、貯蓄銀行などノンバンクでも、800点台は担保がないと難しいというニュースがあって、個人的にちょっと驚いたりしました。

また、先に書いた返済関連の問題か、政府による政策庶民金融も縮小されていて、すなわち審査が多少きびしくなって、このカードローンを利用する、するしかない人たちが大幅に増えてしまったっというのが、各記事の趣旨です。

カードローンは、第2金融圏では借りられない人でも、お金を借りることができるため、いわゆる急銭(生計費など少額の資金)のためのシステムだと言われています。

家計債務関連で何度かお伝えしましたが、韓国には全員に信用スコアというものがあります。

前は10等級にわけて信用等級と呼んでいました。

最近は「細分化する」として1000点満点にしましたが、事実上、10等級で運営されていると聞きます。

一般的には、700点あたりを中信用、それに500点~600点あたりを低信用とします。

それより下は、500点未満はすべて「最下等級」扱いで、わざわざ1000点に細分化した意味があるのか、とも言われています。

この信用スコアによって金利に差はありますが、マネーSによると、カード会社によって異なるものの、カードローンは中低信用者(信用点数700点以下)の金利が16~17%です。

501点~600点の低信用クラスの場合、ほとんど19%台です。

上限金利が20%なので、事実上、最高値と見てもいいでしょう。

それより低い人たちは、そうですね、人やカード社によるとは思いますが、カードローンも(すらも)利用できない場合がほとんどです。

じゃどうするのか、となると・・個人的にサグミュンなど(違法金融業者)関連のデータがもっと知りたいと思う所以でもあります。

なかなかデータが出ませんけど。とにかく、そのカードローンが、40兆ウォン近くまで増加した、とのことです。

去年は2.6兆ウォンが増えましたが、この増加幅は、一昨年の3倍である、とも。以下、毎日経済の記事から、<<~>>で引用してみます。

<<・・景気不振が続く中、庶民政策金融と貯蓄銀行融資の敷居が高くなり、中・低信用者がカードローンに追い込まれている。

1年でカードローン残高が2兆6000億ウォンほど増えたが、これは前年同じ期間増加幅の3倍に達する。

各種「日差しローン」をはじめとする庶民政策金融の予算・供給が減り、調達金利の上昇もあって、経営不振に陥っている貯蓄銀行が貸出の縮小に乗り出している。

結局、市中銀行を利用できるほどの信用等級にならない中・低信用者が、カードロンを選択したものと見られる・・

・・27日、与信金融協会によると、9つのカード会社のカードローン残高は今年3月末に39兆4821億ウォンまで上がった。

1年でカードローン利用金額が2兆6000億ウォンほど増えたのだ。

前年同期間(2021年3月末~2022年3月末)の増加額8618億ウォンの3倍ほどに拡大したのだ。

カードローンは利用自体だけでも信用点数が下がる可能性があり、政策庶民金融に比べて金利も高い。代替案があれば、カードローンをしない理由がここにある(毎日経済)・・>>

もともと大金が借りられるシステムではないので、1年で2兆6000億ウォン増えて、カード会社9つ残高40兆ウォンなら・・利用者数はすごく多いと見てもいいでしょう。

不思議なのは、これでも延滞率が2%にならないで維持されている、という点です。

本当に延滞率がこんなに低いなら、なんで各金融機関が「ローンのハードル(信用点数)」を上げるのか、よく分かりません。

ちゃんと利子収入が得られるなら、わざわざ『顧客の数』をしぼる必要はないはずですが。

前にもエバーグリーン化(満期延長や新規貸出を繰り返すことで、ローンの返済に問題ないように見せる)などの話を紹介しましたが・・それとも、お金を借りれば「ちゃんと返さないと!」と本気出して(なにかの力に目覚めて?)稼ぐのでしょうか。はてさて、としか。 』