ロシア国鉄RZDは、2024年の第一4半期に500億ルーブルの負債を増やした。

ロシア国鉄RZDは、2024年の第一4半期に500億ルーブルの負債を増やした。
https://st2019.site/?p=22138

『2024-5-24記事「Low freight volumes: Russian Railways loses up to 50 billion rubles」。

    ロシア国鉄RZDは、2024年の第一4半期に500億ルーブルの負債を増やした。貨物取扱量が落ちている。

 原因としては、石炭の市場価格が落ちていること。石油輸出が減っていること。国の大きな建設事業が完工してしまって、建設資材を輸送する需要が落ちていること。大型無蓋貨車のレンタル賃が上昇していること。

 昨年、RZDは、収益の74%を貨物輸送で得ているので、貨物事業の不振は痛手になる。

 RZDが運んでいる貨物の3割は石炭だ。その値下がりは、影響が大きい。

 黒海に面したタマン港から、ロシアは石炭を西欧方面へ輸出していたものだった。しかし石炭の国際価格は低落していて、関税は高い。ロシア国内の炭鉱会社は、輸出を諦めてしまった。それで、もはやRZDに輸送を頼まない。

 2024-1から2024-4のあいだに、石炭の貨物量は5%減った。今は、重量にして1億1500万トンが輸送されている。

 RZDにとって、石炭の次に大事な貨物は石油である。だいたい全輸送量の2割を占めている。

 しかし、精油所がウクライナ軍のドローン攻撃を受けているのと、政府が露軍への燃料補給を優先させるために3月から8月末まで石油類の輸出を禁じてしまったので、荷扱い量は逓減。
 2024年の第一4半期にRZDは7040万の石油を運んだが、それは2.4%減だという。

 建設資材の鉄道輸送量は、14.6%落ちて、3610万トン。
 また無蓋貨車のレンタル料が上昇(年初の4ヵ月で6%)しているので、顧客は建設資材の輸送をRZDではなく貨物船に頼もうとする傾向があるという。』