ロシア領攻撃に米国製兵器の使用は不可、ウクライナは標的情報の提供を要請

ロシア領攻撃に米国製兵器の使用は不可、ウクライナは標的情報の提供を要請
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/u-s-weapons-cannot-be-used-in-attacks-on-russian-territory-ukraine-requests-targeting-information/

『2024.05.18

ウクライナを訪問したブリンケン国務長官は「ロシア連邦領内への攻撃に反対しない」と述べたが、これは「米国製兵器を国外攻撃に使用しても良い」という意味ではなく、国防総省のシン報道官も「我々の立場は変わっていない」と発言した。

参考:Ukraine Asks U.S. to Provide More Intelligence on Targets in Russia
米国の立場に変化が起こるのか、従来の立場を維持するのかは検討結果が出るまで誰にも分からない

ウクライナは国産の自爆型無人機でロシア連邦領の製油所を攻撃しているが、バイデン政権は「エネルギー価格の上昇」が欧州のウクライナ支持を弱める可能性を危惧し、ハリス副大統領はゼレンスキー大統領と会談して「ロシア連邦領にある製油所への攻撃を控えてほしい」と要請したが、ブリンケン国務長官は14日「我々はウクライナ国外への攻撃を奨励したり、その能力を提供したりしないが、この戦争をどのように戦うかはウクライナが決めることだ」と述べた。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

ブリンケン国務長官は「米国製兵器によるロシア連邦領内への攻撃を認めるのか」という質問への回答を控えたが「ウクライナがロシア連邦領内を攻撃することに原則反対してない」と述べたため、ウクライナメディアは「米国が従来の立場を変更した」と報じたものの、国防総省のシン報道官は17日「ウクライナ領内でのみ米国製兵器を使用できるという方針を変更したのか」という質問に「我々の立場は変わっていない」と述べ、ウクライナが米国兵器を使用してロシア連邦領内を攻撃すること許可していないと示唆。

New York Timesも17日「ウクライナはバイデン政権に対してロシア軍の位置やロシア連邦領内の軍事目標についてより多くの情報提供を要請した」「米議会の議員と会談した最高議会の議員グループは米国兵器によるロシア連邦領内への攻撃を許可してほしいと要請した」と報じており、ブラウン統合参謀本部議長も「ウクライナはロシアへの攻撃を可能にする支援を求めている」「この支援要求は広範囲に及ぶ内容で特定の兵器システムに関するものではない」と述べたが、同時に「今のところウクライナによるロシア連邦領内への攻撃に何の支援も提供していない」と付け加えた。

出典:U.S. Air National Guard photo by Technical Sgt. Luke R Sturm

バイデン政権はウクライナの要請(標的に関する追加の情報提供)を検討し始めているが、New York Timesは「過去に同様の要請が却下された」と報じており、米国の立場に変化が起こるのか、従来の立場を維持するのかは検討結果が出るまで誰にも分からない。

追記:ブリンケン国務長官が言及した「ウクライナがロシア連邦領内を攻撃することに原則反対してない」という言葉の意味は「ウクライナが国産兵器(ロシア領内への攻撃を許可された他の国の兵器も含む)でロシア連邦領内を攻撃すること反対しない」で、米国が従来の立場を変更したという部分は「ロシア連邦領の製油所を攻撃するのはウクライナの自由」という意味だ。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S Army Photo by John Hamilton
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 36  』