ウクライナ、東部国境周辺から4000人超避難 ロシア侵攻
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB122460S4A510C2000000/
『【キーウ=共同】ウクライナ東部ハリコフ州北部に対するロシア軍の地上侵攻で、シネグボフ州知事は12日、国境周辺から4千人以上が避難したと明らかにした。ゼレンスキー大統領やウクライナ軍によると、軍は部隊を増派して、12日も国境近くの広範囲で激しい戦闘が続いた。
ロシア国防省は12日、ハリコフ州で国境付近の4集落を新たに支配下に置いたと発表した。11日と合わせ9集落となる。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は12日「この1週間でハリコフ州の状況は著しく悪化した」と通信アプリに投稿した。
一方、ハリコフ州に隣接するロシア西部ベルゴロド州の州都ベルゴロドでは12日、ウクライナ軍の攻撃で集合住宅が崩壊。タス通信によると、ロシア非常事態省は12日、死者が13人になったと明らかにした。
シネグボフ氏らによると、国境から約6キロのボウチャンスク方面では11日、滑空爆弾による攻撃が20回以上あり民間人2人が死亡した。12日も砲撃が続き死傷者が出た。
米シンクタンク、戦争研究所は今回の侵攻規模は限定的だとした上で、ウクライナ軍をハリコフ州防衛に当たらせて他の前線に展開する兵力を分散させるのがロシアの狙いだとする報告書を公表した。
報告書は、ロシア軍が兵士約2千人を国境沿いに投入したとする専門家の見方を紹介。今後数日間でさらに攻勢を強めるとみられるが、州都ハリコフ市の包囲や制圧には兵力が不足していると分析した。
報告書は「ハリコフ市の掌握がロシア軍の作戦目標であることはほぼ間違いないが、短期的に達成を目指すものではないとみられる」とした。』