ロシア軍は東部戦線のほぼ全てで前進、南ドネツク方面でも攻勢を開始
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『ロシア軍は東部戦線のほぼ全てで前進し、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは8日「ロシア軍がスタロマイオルケ集落内に足場を築いた」と報告、どうやらロシア軍は昨年夏に失ったモクリ・ヤリー川沿いの占領地奪還に向けて動き出しているようだ。
参考:Мапу оновлено!
参考:Хроника специальной военной операции за 7 мая 2024 года
参考:Хроника специальной военной операции за 6 мая 2024 года
クピャンスク方面
ウクライナ人が運営するDEEP STATEは5日「ロシア軍がコトリャリフカを占領した」と、6日「ロシア軍がキスリブカを占領した」と報告していたが、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも6日「ロシア国防省がコトリャリフカ解放を発表した」「ロシア軍が隣接するキスリブカも占領した」と報告。
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キスリブカ集落内とコトリャリフカ集落内にロシア国旗が掲げられる様子も登場しているため、両拠点のの喪失はほぼ確定した状況だが、RYBARは7日「ロシア軍がキスリブカとコトリャリフカの掃討を終えてイワニフカ方向に進軍している」「ロシア軍がステルマキフカ方向に前進した」と報告した。
ロシア軍がイワニフカ方向にどれだけ前進しているのか不明だが、クピャンスク方面の東方向は楽観視できない状況だ。
アウディーイウカ方面
DEEP STATEは7日「ロシア軍がノヴォポクロフケ方向で支配地域を拡大させた」と報告していたが、RYBARは「ロシア軍がプロレスに向って進軍中」「ロシア軍がオチェレティネの北で交戦中」と報告し、ノヴォオレクサンドリヴカに向かう進路上の森林ゾーンを巡っても戦闘が行われているらしい。
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DEEP STATEは特に言及しておらず、RYBARが更新した戦況マップでも大きな前進は確認されていないため、ロシア軍の攻勢や突破は勢いが落ちてきている可能性があり、このラインで敵の前進を食い止められればニューヨークやコンスタンチノフカへの影響は最小限で済むはずだ。
逆に現在のラインを突破されるようなら、アウディーイウカ方面からの押し上げがコンスタンチノフカ方面=チャシブ・ヤールの戦いに影響を及ぼすだろう。
ドネツク西郊外方面
DEEP STATEはドネツク西郊外方面について4月末「ロシア軍がクラスノホリフカ東郊外にある耐火物工場の一部を占領した」と、RYBARも「敵が10年以上かけて多くの塹壕を築き要塞化していた工場(通称:狩猟小屋)を制圧した」と報告、視覚的にもウクライナ軍が工場敷地内に居座るロシア軍を攻撃する様子が確認されていた。
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この方向についてDEEP STATEは8日「ロシア軍がクラスノホリフカの東市内に侵入した」と報告、ウクライナ軍は既に市内で最も標高が高い耐火物工場の一帯を失っている可能性が高く、ロシア軍はクラスノホリフカを守るウクライナ軍を南と東の二方向から攻撃している格好だ。
ウクライナ軍は武器や兵士が不足しているため、クラスノホリフカを攻撃するロシア軍を押し返すのは不可能に近く、他の拠点と同じようにクラスノホリフカも最終的に失われるだろう。
南ドネツク方面
DEEP STATEもRYBARも「ロシア軍がウロジャイン集落の南郊外に足場を築いた」と報告していたが、どうやらロシア軍は昨年夏に失ったモクリ・ヤリー川沿いの占領地奪還に向けて動き出しているようだ。
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この方向についてDEEP STATEは8日「ロシア軍がスタロマイオルケ集落内に足場を築いた」「ほぼ集落全体がグレーゾーンに収まった」「ロシア軍がスタロマイオルケの西郊外で支配地域を拡大させた」と報告、最も問題なのはスタロマイオルケの西郊外=集落よりも高地に位置する一帯を失った点で、ここからロシア軍に支配地域を広げるとウクライナ軍はスタロマイオルケを手放さなければならなくなり、そうなればウロジャインも同じ運命を辿るだろう。
スタロマイオルケを失っても南ドネツク方面の状況に大きな変化はないものの、昨年夏に解放した拠点を失うというのは政治的によろしくなく、この方面に限られた予備戦力を投入してスタロマイオルケを守ろうとすればロシア軍が笑うだけだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 13 』
『 暇な人
2024年 5月 08日
返信 引用
第一次大戦のような塹壕だらけでないみたいで、後方はろくな塹壕がないので部隊が撤退しているようですね。
前評判と違ってシルスキーがいがいと撤退を認めているのか、部隊が持ち場を離れているのか判断つかないですが、勝ち目がない状況で犬死するよりはまともに戦えるところまでは逃げてほしいですね。
16
Easy
2024年 5月 09日
返信 引用
良くも悪くも、防衛線の後方には両軍とも堅固な拠点が無いので。
攻めてこられれば防衛側は逃げる、反撃すれば攻撃側も逃げる、で大きなグレーゾーンにならざるを得ないんですね。
ただ、この場合の戦闘は遭遇戦のような形になり。双方とも被害が大きくなりますが、火力の強い方がより敵に大きな打撃を与えることになります。
ウクライナがこの削り合いに参加して、勝ち目があるかどうか。
どれくらい支援が届いているか,でしょうかね。
3
jimama
2024年 5月 09日
返信 引用
多分前線のウクライナ軍は後方を火力で遮断されてるのでほとんど逃げれてないと思います
というかこういった広大な平原でどこまでも逃げていく敵を逃がさずに撃滅するには?というのが100年前ロシア革命で彼らが得た戦訓で、時間をかけて発展させてきた縦深攻撃理論なので。バグラチオン作戦がある意味その結晶
あと前線はすべて24時間ドローンで常時監視されてるから不期遭遇戦は発生自体かなり難しいのは
6 』