韓国メディア「今後、韓国の選挙では左派が勝つ。なぜなら50〜60代の最大ボリューム世代の政治的志向が左派のままだからだ」

韓国メディア「今後、韓国の選挙では左派が勝つ。なぜなら50〜60代の最大ボリューム世代の政治的志向が左派のままだからだ」: 楽韓Web
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『 2024年04月29日 カテゴリ:韓国社会 コメント:(77)
タグ: 韓国社会 86世代 人口動態
狭くなる保守の政治人口学(中央日報・朝鮮語)

今回の総選挙は様々な教訓を残したが、その中の一つは韓国が今や「政治人口学の時代」に本格的に入ったという点だ。 人口は大きく3つの要因によって変わる。 出生、死亡、移住だ。 そして、人口の変化は政治的結果を生む。 過去にも韓国で政治人口学の効果は長い間存在してきた。 慶尚道(キョンサンド)と全羅道(チョルラド)の人口格差の政治的結果だとか、「安保·成長保守」と「運動圏86世代」間の対決のようなものだ。

戦争と貧困を経験した保守的世代と運動の勝利を経験した86世代の間の政治的な違いは、彼らがある程度バランスを取っている間にはあまり目立たなかった。 しかし、今回の総選挙で明らかになったのは、ついにその均衡が崩れ始め、今後しばらく不均衡は深刻化するという点だ。 保守政治には不吉なニュースだ。 バランスが崩れた最も重要な理由は「安保保守」の死亡または病気だろう。 韓国戦争の時に10歳だったとしても、今は80代半ばだ。 韓国が絶対貧困から抜け出し始めた1970年代に10歳だったとすれば、60代後半だ。 保守の牙城を成していた世代は消えつつあるのに、進歩の牙城は堅固に存在する。 (中略)

第18代大統領選挙から今回の総選挙まで12年が経つ間、有権者は年を取った。 朴槿恵候補を揺るぎなく支持した安保保守の中で多くの人々が亡くなり、進歩の世代的基盤である86世代有権者の半分近くが60代に入った。 (中略)

若い時に進歩的だった人も、年を取りながら保守化するのが一般的ではないかと反問することもできる。 これについても多くの研究がある。 人口集団の政治的性向は、二つの効果の相互作用で決まる。 一つは若い頃の強烈な経験が一生続くことだ。 「コホート効果」と呼ぶ。 もう一つは、年を取るにつれて保守化していくことだ。 「年齢効果」と呼ぶ。 この二つのうち、どちらがより強力な力を発揮するかによって、政治性向は変わる。 従来の研究によると、概して1960年代初めの出生者までは年齢効果がより強い。 彼らは年を取るにつれて保守的になる。 しかし、60年代半ば以降の出生者からはコホート効果がより強い。 彼らは青年時代、学生運動の経験を一生持ち歩きながら、年を取っても保守化しない。
(引用ここまで)

 元ネタはシンシアリーさんのところからいただきました。

ソウル大教授「当分の間、左側が勝つだろう」・・韓国、総選挙で見えてきた「人口政治学」(シンシアリーのブログ)

 保守派の牙城であった高齢者が社会から引退しつつあり、数を減らしている。
 その一方で50代に入っても「民主化」を経験した世代であるために、「年齢による保守化」をせずに思想的に左派にいたままとなる。
 といったコラムです。

 以前、楽韓Webでも似た話をピックアップしています。
 「50代が最大ボリュームになった」とするニュースに対して「これで人口動態的には左派が勝つ状況が整った」と述べています。
日本と異なり、韓国では左派の勢いが強い理由は人口動態にあった(楽韓Web過去エントリ)

 韓国の人口ピラミッドにおいて50代前半が最大ボリュームとなっています(画像は2022年末のもの)。

(画像引用元・Wikimedia)

 そして彼らの政治的志向が左派に傾いており、共に民主党等を支持する層が韓国で多数になっていると。

 今回の総選挙における共に民主党の大勝、祖国革新党の躍進もそこに起因するわけです。
 そしてこの構造はしばらくの間、固定されるしかない。
 コラムの筆者曰く50〜60代のいわゆる86世代は激烈な「民主化」を経験したため、コーホート効果で政治的志向が変化しない。

 そして保守派であった高齢者は続々と引退していく。
 すなわち、今後の大統領選挙で2回、あるいは3回は左派が勝つしかない。

 2030年代前半までは左派がよほどのことをしでかさないかぎりは勝つ。

 つまり、ノ・ムヒョン政権下のような、あるいはムン・ジェイン政権下のような事態になるだろうってことです。

 そして、外交の基本方針は反米、反日になるでしょう。

 東アジアの不安定要素になるんだよなぁ……。

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