イランが「358」という、ユニークな上空待機型の対低速機用のSAMを開発したのは…。
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『ストラテジーペイジ の2024-2-24記事。
イランが「358」という、ユニークな上空待機型の対低速機用のSAMを開発したのはもう何年も前だ。
これは中高度以下を飛んで来るUAVや、ヘリコプターに対して、効果があると考えられている。
「358」は全長2.7m、自重40kgで、弾頭重量は10kg。
センサーは熱赤外線を捉える。近接信管はレーザーの反射を利用する。
「358」のロイタリング飛行スピードは、500km/時である。
地上の発射機コンテナーからは、まず火薬ブースターで飛び出し、空中でガスタービン動力に切り替える。
ロイタリング高度は1000フィート以下。パターンは「8の字」が普通である。
会敵せずに燃料が尽きたときは、地上に墜落する。
機体と地上の間には無線リンクもあり、哨戒空域を変えさせたいときは、無線でその指示ができる。
「358」は、イエメンのフーシに武器を密輸出せんとするイラン船を海上で取り締まっていた米艦が、2018年から押収し始めた。これまでに数十基、押収されているという。
レバノンや、シリア西部でも、すでに「358」が飛んでいる。
速度差があるので、イスラエルの高速のジェット戦闘機にとってはほとんど脅威ではないのだが、もし偶然に近傍を航過するようなことがあると、やられるおそれはある。
また、この「358」をイスラエル軍の航空基地の近くで飛ばされると、とても迷惑だ。戦闘機の離着陸時のスピードは遅いので、「358」でも直撃のチャンスがある。
米国からウクライナに少量が供与されている「スイッチブレード600」には「全自動モード」がある。オペレーターからいっさい、指図をしないで、ロイタリングミュニションが勝手にターゲティングするから、通信リンクに対する電波ジャミングは、効かない。
「358」も同じ強みをもつ。』