16年前のオバマ政権は、イランに「アメリカに死を」の路線を止めさせようと試みた。
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※ 重要なことが、2つ語られている…。
※ 1つは、歴史的に、中東の「覇者」の勢力として、イラン民族、アラブ民族(アラビア半島勢力)があること。
さらには、チュルク民族(トルコ系)を加えて、3大勢力が興亡した。
※ 2つ目は、広域を支配した「帝国(王朝)」は、必然的に「多民族」勢力となり、多民族支配のための「システム」の確立が必要となること。
『Edward Luttwak 記者による2024-4-23記事「Iran is weaker than we think Despite Obama’s mistakes, Israel retains the upper hand」。
16年前のオバマ政権は、イランに「アメリカに死を」の路線を止めさせようと試みた。結果、イランは中東の米軍基地を無人機で爆撃するようになっただけだった。
このときも、今も、アメリカ政府は「構図」が理解できていない。イランに「アメリカに死を」の態度を放棄させることなどできないのである。
オバマは、ロースクールで同窓だったロバート・マレイを信任していたと思しい。マレイは大のイスラエル嫌いであった。だからイランを見る目も曇っていた。
イランの政体は、イランの人民からは支持されていない。なにしろ抑圧的であり腐っている。
なのでイラン指導部は、IRGC(イラン革命防衛隊)内の矯激分子、および「Basij」民兵、政治大好き説教師たちに、ますます頼るしかない。
だからオバマが対イランの制裁解除とひきかえに核合意を呑ませたつもりになっていても、中味の芯は何も変わっていない。
オバマはバイデンに対して、マレイをイラン問題のコーディネーターにするんだぞと強いた。しかしマレイはセキュリティ・クリアランスを喪失し、その地位にはいられなくなった。
バイデンはイエメンのフーシを、テロリスト名簿から除いてやった。何の見返りもなしに。それでテヘランは、バイデンは利巧じゃないと理解した。今、フーシはテヘランの手先として米軍艦と直接に交戦中である。
イランは、サダム・フセインのイラクよりも強靭である。それは国土が4倍広く、人口が2倍あるからじゃない。イランはイスラム化する前から地域の先進帝国で、地域を支配する側の国であった。中東で、何百年もそれをやってきた。その政治文化遺産が、強靭なのである。
瀬戸際挑発も、イランは巧妙だ。決して米軍からは真正戦争をしかけられないようにマネージしている。
イランが中東の盟主になるためには、根本の障害が2つある。宗派と民族だ。
イランはイスラム発祥の地ではない。サウジが盟主面をしている。サウジのスンニに対抗してイランは「シーア派」をつくったが、まだ中東のメジャーではない。さらなる分裂は、イラン人はアーリア人種であってアラブ人ではない。アーリアのイラン人はずっと、未開のアラブ人を馬鹿にしてきた。「トカゲ喰い」と呼んできた。アラブ人はペルシャに支配される側の文盲の乞食であった。イスラム教ができる前は。
※そのイスラム教を宗教らしく整えてやったのもペルシャの学者なんだとイラン人は思っている。なにしろベドウィンは無学だったので。
しかし今日、たったひとつのテーマで現代の中東はまとまることができるのだ。それが、反イスラエル。
だからイランは、反イスラエルの旗振りをする。これにはスンニ派もアラブ人も反対はできない。協賛するしかない。
IRGC(イラン革命防衛隊)は、レバノン、シリア、イラク、イエメンに住むアラブ人を手下のゲリラ戦士に育てる「帝国のスキル」があることを立証している。こんなことがやれたのは、昔インドを支配していた大英帝国ぐらいなものであった。
いま、アメリカ軍がイランを恐れなければならない原因もここにある。イランは、手下のアラブ人たちを捨て駒にして米軍に立ち向かわることができる。その捨て駒の人数が、年々、増える一方なのだ。
かたやイランには逆風も吹く。4月1日にダマスカスにて、IRGC(イラン革命防衛隊)の高級指揮官と幕僚が、イスラエル軍機による対地爆撃を喰らい、まとめて吹っ飛ばされた。この一件について、アラブ世界は、まったく、沈黙している。ざまあみろと思っているのだ。ダマスカスは古くからのスンニの牙城だったが、いまやシーア系政府が支配するところ。スンニ派諸国は、イラン帝国の拡大を、苦々しく思っているのだ。』