米大統領「憤慨している」 ガザ支援団体7人死亡を批判

米大統領「憤慨している」 ガザ支援団体7人死亡を批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0304Q0T00C24A4000000/

『2024年4月3日 7:24

【ワシントン=芦塚智子】パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍の攻撃により米国の支援団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の隊員7人が死亡したのを受け、バイデン大統領は2日、「憤慨し、悲しみに打ちひしがれている」と攻撃を非難する声明を発表した。

バイデン氏は犠牲者の一人が米国民だったことに言及し、イスラエルに対し「調査は迅速で、説明責任を果たさなくてはならず、結果は公表されなくてはならない」と徹底した調査を要請した。

イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの衝突による支援団体職員の犠牲は近年で最悪規模だと指摘し、イスラエルが支援団体の職員や民間人の保護に十分な対策を講じていないと批判した。

ガザの民間人に人道支援を届ける努力を継続し、イスラエルに支援を円滑にするための努力を求めると表明した。

バイデン氏はWCKの創設者である有名シェフのホセ・アンドレス氏に電話し、弔意を伝えたことを明らかにした。

ブリンケン国務長官は2日、訪問中のフランスでの記者会見で「(イスラエルに)何が起きたのかを正確に理解するための迅速かつ徹底的で、偏らない調査を要請した」と説明。「罪のない市民の命を守るために措置を講じる絶対的な責務を力説した」と述べた。

WCKは米首都ワシントンを拠点とする団体で、ワシントンで複数のレストランを経営するアンドレス氏はシェフとしても慈善活動家としても有名な存在だ。死者に二重国籍の米国民が含まれていたことと併せて衝撃を大きくしている。

米与党民主党のリベラル派を中心にイスラエルへの軍事支援に民間人保護の条件を付けるよう求める声が高まる可能性もある。

カービー大統領補佐官は2日の記者会見で「イスラエルは依然として(パレスチナのイスラム組織)ハマスの脅威を受けている」とイスラエルへの軍事支援を継続する必要性を指摘。「イスラエルが可能な限り(攻撃を)精密にし、人道支援の搬入を増やすことを確実にするため引き続き協力していく」と語った。』