パキスタン、中国人技術者狙う攻撃相次ぐ 経済協力懸念

パキスタン、中国人技術者狙う攻撃相次ぐ 経済協力懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB019C60R00C24A4000000/

『2024年4月2日 16:17

パキスタンでインフラ建設に携わる中国人の技術者を狙う攻撃が相次いでいる。2021年の爆発事件に続き、今年3月下旬には自爆テロが発生した。中国は警備体制の強化を求めており、状況が改善しない限り両国の経済関係に影響が出かねない。

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州ベシャムで3月26日、中国人技師らが乗る車に爆発物を積んだ別の車が突っ込んだ。中国人5人とパキスタン人の運転手1人が死亡した。…

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『事件があったのは首都イスラマバードから北西270キロメートルほどにあるダムの建設現場だ。中国が支援していた。テロ攻撃後には同事業を含む3つのダム建設が一時中断した。

在パキスタン中国大使館は徹底的な調査を求め、パキスタンは事件を調べる委員会を設置した。現時点で犯行声明を出している勢力はいない。』

『2021年にも同州にあるダムの建設現場に向かうバスが爆発し、中国人9人が死亡する事件があった。中国はパキスタン向けの投資に関わる中国国民を守るため、これまでも十分な対策を打つよう求めてきた。』

『パキスタンではここ数年、国家からの分離独立を狙う武装勢力が台頭している。こうした勢力は、中国が地域の資源を搾取しているとしてインフラ開発などに反発している。

3月20日には南西部グワダル港の港湾施設を武装した集団が襲撃した。同港は中国企業が整備しており、中国政府が推し進める広域経済圏構想「一帯一路」の重要な拠点として知られる。』

『パキスタンにあるクエイド・イ・アザーム大学のムハンマド・ショアイブ助教授は立て続けに起こる攻撃について「安全面で深刻な欠陥があることを示している」と話す。パキスタンがインフラ建設の現場などで中国人の安全を確保できない状況が続けば、中国からの新規投資が止まる懸念もあるという。

パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は4月中にも訪中する見通しだ。ただ、頻発するテロ攻撃は中国側との経済協力に影を落とす公算が大きい。

ショアイブ氏は「中国はこれ以上パキスタンと大規模な契約を結ぶことはないだろう」と指摘する。中国はパキスタンの治安や政情不安を懸念しており「治安の悪化がさらなる経済への関与を停止する良い口実になる」と述べた。

米シンクタンク、ウィルソンセンターのマイケル・クーゲルマン氏は「中国が自国の治安要員の投入を求めることもあるかもしれない」と語る。パキスタンは過去2年間、こうした要求を断ってきただけに、両国間の緊張が高まる可能性もある。

(寄稿 イスラマバード=アドナン・アーミル)』