ロシアFSB長官、テロへのウクライナ・米英の関与主張

ロシアFSB長官、テロへのウクライナ・米英の関与主張
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26DCS0W4A320C2000000/

『2024年3月27日 1:36

ロシア連邦保安局(FSB)のボルトニコフ長官(2023年2月)=ロイター

モスクワ郊外で22日に起きた銃乱射事件を巡り、ロシア連邦保安局(FSB)のボルトニコフ長官は26日、ウクライナや米国、英国が銃乱射テロに関与したとの見方を示した。ウクライナなどへの敵対心を高め、長期化する軍事侵攻の正当化につなげる狙いとみられる。
ボルトニコフ氏は、ウクライナや米英がテロ事件の背後にいるのかとの記者団からの質疑に対し「現時点の情報から判断すると、我々はそのようにみている」と述べた。実行犯については「イスラム過激派によって準備された」とし「西側やウクライナの情報機関が支援した」と指摘した。

プーチン大統領は25日のテロ対策の会議で、具体的な言及は避けつつも、ウクライナを支援する米国など西側諸国が事件に関わっていると示唆した。同氏はウクライナが関与したかのような発言もしており、ボルトニコフ氏の発言はプーチン氏の発言の流れに沿ったものだ。

プーチン氏の側近であるパトルシェフ安全保障会議書記も26日、ウクライナがテロ事件の背後にいるとの見方を示した。

政権幹部らからはウクライナや西側諸国の事件関与を示唆する発言が目立っている。侵攻長期化に向けた国威発揚のほか、首都モスクワの治安維持など国民の政権への不満をそらす考えもあるとみられる。

テロ事件の犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)は23日に襲撃の様子を映したとする動画を公開した。』