インドネシアのジョコ氏、次期政権に影響力 成長阻害も
インドネシア 先進国への岐路(下)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1394L0T10C24A3000000/

『2024年3月27日 5:00
「我々はジョコ大統領の後継者だ」。インドネシアの次期大統領に決まったプラボウォ国防相は25日、支持者を集めた会合で、実質的な支援を受けたジョコ氏の路線継承を強調した。
2月14日に実施した大統領選の陰の主役はジョコ氏だった。2014年から10年間にわたって政権を担い、任期終盤も国民から高い人気を保った。
今回の大統領選には憲法が定める3選禁止規定で出馬しなかったものの、長男のギブラン・スラカルタ…
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『ジョコ氏は首都移転など自身の政策が未完成な中、「退任後も次期政権への影響力を持ち、自らの政治的遺産を築きたいとの思いが強い」。立命館大学の本名純教授はジョコ氏の思惑をこう分析する。』
『ジョコ氏が過去2回の大統領選で戦ったライバルであるプラボウォ氏の実質支援に回った背景には、ジョコ氏が所属する最大与党・闘争民主党における自身の微妙な立場がある。
闘争民主党はスカルノ初代大統領の娘であるメガワティ元大統領が絶対的な権力を握る。ジョコ氏は同党では役職がなく、大統領を退けば「一党員」に戻る。ジョコ氏は今回の大統領選で、闘争民主党が候補に指名したガンジャル前中部ジャワ州知事を支持しなかった。
ジョコ氏はプラボウォ氏に大きな「貸し」をつくったことで、プラボウォ政権の組閣や政策運営にも関与していくとの見方が多い。プラボウォ陣営の政党幹部は2月下旬、「ジョコ氏は次期政権でも重要な役割を担う」と語った。』
『ジョコ氏には、プラボウォ陣営で最大の議席数を持つゴルカル党に移り、幹部職に就くとの観測も出ている。プラボウォ氏が率いるグリンドラ党は陣営で第2勢力にとどまる。ジョコ氏の移籍が実現すれば陣営内の最大勢力を通じて影響力を行使できることになる。
ジョコ氏とプラボウォ氏はこれまでのところ蜜月関係にあるが、「プラボウォ氏が権力基盤を固めれば、ジョコ氏の影響力を抑えようとする動きが強まる」と日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の川村晃一氏はみる。
ジョコ氏も14年の大統領選でメガワティ氏の支援を得て当選を果たしたが、その後に連立与党の枠組みを広げて闘争民主党の影響力を抑えてきた。
プラボウォ氏とジョコ氏の主導権争いが激しくなれば、スピード感のある政策運営ができなくなる可能性がある。両氏の関係性は、先進国入りに向けて経済成長の加速を目指すインドネシアの未来を左右する。
(ジャカルタ=押切智義)』