「トランプメディア」が上場 時価総額1.2兆円

「トランプメディア」が上場 時価総額1.2兆円
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『2024年3月27日 5:54

【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ前大統領が立ち上げた新興メディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は26日、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて米ナスダック市場に株式を上場した。

初日終値から算出した時価総額は約80億ドル(約1.2兆円)。6割の株式を保有する前大統領の持ち分の資産価値は50億ドル規模に上るとみられる。

TMTGは前大統領が独自に立ち上げたSNS(交流サイト)「トゥルース・ソーシャル」の運営会社だ。すでにナスダックに上場していたSPACのデジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)と合併し、26日からTMTGが存続会社として入れ替わる形で株が取引されるようになった。銘柄コードにあたるティッカーは前大統領の氏名から取って「DJT」とした。

TMTGの株価は一時、前日のDWACの終値より59%高い79.38ドルを付けた。終値は16%高の57.99ドルだった。

新規株式公開(IPO)に詳しい米フロリダ大のジェイ・リッター教授は「買い手は機関投資家ではなく個人で、そのほとんどはトランプ氏の政治的な支持者だ」と指摘する。

米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、前大統領は合併後のTMTG株を7875万株持ち、保有比率は58%と最大株主だ。26日の時価総額に基づくとおよそ50億ドルに相当する。

リッター氏によると、新株予約権など株式を追加取得できる権利も含めれば、前大統領の資産はさらに数十億ドル分上積みされる可能性がある。

前大統領は11月の大統領選に向けた政治キャンペーンの費用に加え、複数の訴訟関連費用もかさんでいる。保有するTMTGの株式を売却したり、株を担保に資金を借り入れたりして、資金繰りの助けにしようとする公算が大きい。

米メディアによると、大株主である前大統領は今後半年以内の株の売却などに制限がかかる。

制限を解除するにはTMTGの取締役会の同意が必要になる。取締役会には前大統領の長男ら近い人物が名を連ね、ルールの変更は可能とみられるが、保有株を一気に大量売却すれば自ら値崩れを招く恐れもある。

TMTGの直近決算は赤字で株価の裏付けは乏しく、高い市場価値がいつまで続くかは不透明だ。前大統領が株式上場で得た含み益をどれだけ活用できるかは見通しにくい。

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