「トランプメディア」上場へ 選挙・訴訟の資金源の思惑
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN22D690S4A320C2000000/
『2024年3月23日 4:44
【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ前大統領が率いる新興メディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて来週にも株式を上場する見通しになった。22日にSPAC側の株主が合併を承認したと米主要メディアが一斉に報じた。
TMTGはSNS(交流サイト)の「トゥルース・ソーシャル」を運営する。すでに米ナスダックに上場しているSPACのデジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)と合併し、TMTGが存続会社として市場で株式を売買できるようになる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、DWACの直近株価に基づく合併新会社の時価総額は50億ドル(約7500億円)規模になると見込まれる。前大統領は新会社の株式を約6割保有し、30億ドル相当の資産を持つことになる。
TMTGは2021年10月にDWACと合併契約を結んで上場をめざしてきたが、米当局の調査や新規株式公開(IPO)市場の低迷で難航していた。24年に入ってから前大統領が11月の米大統領選に向けた共和党予備選を勝ち進んだことでDWACの株価が急騰した。株主らは合併計画を実行する環境が整ったと判断したとみられる。
前大統領は大統領選に加え、複数の訴訟を抱えて資金繰りに不安を抱える。25日には民事訴訟で控訴するのに必要な4億5400万ドルの保証金の納付期限を迎え、支払えなければ資産が差し押さえられる可能性がある。前大統領が新会社の株式をテコに、今後も膨らむ選挙・裁判関連費用を賄おうとすることが想定される。
もっとも、WSJによると前大統領が今後半年以内に株式を売却したり株を担保に資金を借り入れたりするのは制限がかかる。こうした契約を変えるにも時間がかかる見通しだ。TMTGは業績が赤字で、いつまで市場の高い評価を得られるかは見通せず、実際に前大統領の資金繰りの助けになるかは不透明だ。 』