ロシア凍結資産、ウクライナ武器調達に活用 欧州委提案

ロシア凍結資産、ウクライナ武器調達に活用 欧州委提案
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR204R10Q4A320C2000000/

『【ブリュッセル=辻隆史】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は20日、制裁で凍結したロシア資産が生む利子をウクライナの武器調達に活用する案を提案した。復興支援に充てる従来方針を修正し、ウクライナの反攻を後押しする。加盟国間で協議し、早期の合意をめざす。

欧州委とボレル外交安全保障上級代表が共同で提起した。

西側諸国が凍結した総額3000億ドル(約44兆円)のロシア中銀資産の3分の2はEU域…

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『西側諸国が凍結した総額3000億ドル(約44兆円)のロシア中銀資産の3分の2はEU域内にある。欧州委によると、ベルギーの決済機関ユーロクリアが保管する凍結資産が生む収益は年間30億ユーロ(約4900億円)にのぼる。

この利子の約9割を徴収し、ウクライナへの武器調達資金を提供するEUの基金「欧州平和ファシリティー」に移す。残りの1割はEU予算を通じてウクライナの防衛産業支援に充てる。今夏にも最初の支払いができるようにする計画だ。加盟国が資金配分などを毎年見直せるようにする。』

『植木安弘のアバター
植木安弘
上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授
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分析・考 察欧州委員会とボレル代表の提案は、ロシアの凍結資産から生まれる利子をウクライナ復興支援から軍事支援に重心を置く支援に向ける大きなシフトだと言える。

ハンガリーの抵抗とロシアの報復措置が考えられるが、ウクライナへの軍事支援の遅延がより深刻な状況になるとの認識がある。

米国での膠着状態が続き、EU各国の軍事予算も拡大する中、利子の活用は国内の抵抗も少なく、自国の軍事産業への追加支援にもなる。次のEU閣僚会議での議論が注目される。

2024年3月21日 6:45 』