米国・イスラエル首脳、ラファ侵攻巡る高官協議で合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18CZ20Y4A310C2000000/
『2024年3月19日 5:27
【ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領は18日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で話した。イスラエルが検討しているパレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの地上侵攻を巡り、軍事計画や人道支援に関する高官協議を週内にも米国で開くと合意した。
米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が18日の記者会見で明らかにした。週末から来週初めに予定する高官協議を実施するまでは「イスラエルが大規模な軍事作戦に踏み切ることはないだろう」との見方を示した。
サリバン氏は、バイデン氏がラファでの大規模な軍事作戦を「深く懸念している理由を説明した」と述べた。「軍事計画は統合された人道的、政治的な計画がなければ成功しない。ハマス打倒には持続可能な戦略が必要だ」と伝えたとも明言した。
両首脳が話すのは2月中旬以来になる。バイデン氏は民間人の保護を重視し、ラファ侵攻を「越えてはならない一線」とかねて警告。許容する条件として「市民の安全を確保する実行可能な計画」の提示を要求してきた。
ラファには避難民ら150万人が密集する。地上侵攻が始まれば、2023年10月のガザ戦闘開始から3万人超になった犠牲者の一段の拡大は避けられない。ネタニヤフ氏はハマス壊滅をめざし「ラファで軍事行動をとる。数週間かかるが実行する」と繰り返す。
サリバン氏は「ガザでの大規模な地上作戦は間違いだ。罪のない市民の死者を増やし、すでに悲惨な人道危機を悪化させ、イスラエルを国際的にさらに孤立させる」と強調した。
ラファへの地上侵攻を懸念する3つの理由をあげた。まずは民間人の安全や食料・住居を確保する計画を提示していないと指摘した。2つ目がガザへの人道支援の窓口となる場所で、物流機能が停止するリスクがあるためだ。
3つ目が国境を接するエジプトが慎重で、強行すれば今後の2国間関係が悪化しかねない点だ。サリバン氏は「イスラエルがラファで達成したい目標は他の手段でも達成できる」と提起。米首都ワシントンで開く軍事計画や人道支援に関する高官協議で打開策を探る。
米国内でアラブ系や若年層の間で犠牲者の増大を省みないイスラエルへの支援を堅持するバイデン氏への批判が広がる。11月に大統領選を控える同氏は神経をとがらせる。
米上院民主党トップのシューマー院内総務は14日、ネタニヤフ氏に早期に国会を解散して総選挙を実施するよう要求した。首相交代も視野に「イスラエル国民の大多数が変革の必要性を認識している」と唱えた。バイデン氏も演説内容を評価した。』