「韓国の少子化の原因はなにか?」と世界が注目

「韓国の少子化の原因はなにか?」と世界が注目、そこには「通過儀礼のハードルがあり得ないほどに高い」事実がある……: 楽韓Web
https://rakukan.net/article/502672871.html

 ※ 「地獄は、自分の心の中にある…。」

 ※ しかし、まあ、社会的な「圧」が、凄まじいんだろうな…。

 ※ 「社会」は、「人」に作用を及ぼし、「人」は、「社会」に作用を及ぼす…。

 ※ その「総体」が、「社会」というものとなる…。

 ※ 結局のところ、「人」(その心の中)が変わらない限り、「社会」が変わるということはない…。

『「私は産んではいけない」 韓国の少子化、将来不安が拍車(日経新聞)
「大学受験まで10年しかない」 韓国、小学生から勉強漬け(日経新聞)

韓国では結婚時にマイホームを用意するのが一般的だ。不動産価格の高騰が続くソウルの場合、事前に数千万円の蓄えが必要になる。過熱する受験戦争の結果、子供の教育費もかさむ。平均年収が約400万円の韓国人には負担が重い。

「自分が親から受けた教育を子供にはしてあげられない。ならば、私は子を産んではいけない」。金はそう自分を責め、別れを受け入れた。

韓国で「超少子化」が進む。政府が2月28日に発表した23年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数、暫定値)は0.72。日本(22年に1.26)よりも低く、世界でも最低水準だ。 (中略)

韓国には「いとこが土地を買うと腹が痛い」ということわざがある。共に暮らす家族の慶事は一緒に喜ぶが、血縁関係が近くても他家の成功には嫉妬するという韓国人の気質を指す。

その気質が、我が子への圧力をより強めた。韓国の若年層の問題に詳しい漢陽女子大の平井敏晴助教授は「子供たちは親から強いられた受験、就職の競争で疲弊しきっている」と分析する。
(引用ここまで)

ソウル市江南区の大峙洞の一角。平日の夜8時になると、路肩に高級車がずらりと並ぶ。塾での勉強を終えた子供を迎えに来た親の車列だ。

大峙洞は韓国の苛烈な学歴社会を映し出す。高級住宅が立ち並ぶ周囲には、500を超える学習塾がひしめく。

小学3年の一人息子を迎えに来た母親(39)は週16回の習い事に通わせる。英語はもちろん、算数だけで「基本講座」「図形」「思考力」と3つの塾を掛け持ちする。学習塾だけでなく、チェロに水泳、テコンドーと目まぐるしい。

ある土曜の朝、息子が悲痛な表情をみせた。「お母さんに引きずり回されてるみたい。今日は休みたい」。幼い子を勉強漬けにすることに罪悪感はある。一方で焦りもある。「大学受験まで、あと10年しかない」

塾代は月300万ウォン(約33万円)を超える。それでも、周囲と比べても平均的な費用だという。「あなたの未来のためよ」「他人に負けてもいいの」――。将来への投資という名の課金ゲームに、親の心は乱される。
(引用ここまで)

 韓国における去年の合計特殊出産率は0.72。
 世界ワースト1位……とするよりも前に、もはや「異次元」とか「異形」としか形容ができない状況。
 台湾が0.87(2022年)、香港が0.77(2021年)と韓国の後を追っていますが、人口5000万人以上の国では独立独歩の圧倒的1位。

 世界から「なぜこんなことになったのだ」とする分析が行われています。
 日経が4本ほど記事を出していますので、興味があれば見てみてください。

 ひとつの要因はマンションを買わなければ一人前とは見られないという韓国社会の問題。
 何度か「韓国では結婚するためにマンションを買わなければならない」「まともな人間たるもの、マンションのひとつくらいは持っていなければならない」とする意識がある、との話をしています。
 一種のイニシエーション、通過儀礼として成立している部分があるといってもいいでしょうね。
 「信じられない」ってコメントをいただいたりもするのですが、このように日経が書くほどに一般的なのです。

 そして、その「一人前」と見られるためのマンション購入をするためにはソウルなら数千万円〜1億円が優に必要になるわけで。
 社会的勝者、それも圧倒的な勝者しかその地位を得ること、保持することはできなくなっているのですね。
 「魂までかき集めてマンションに投資する」人々(ヨンクル族)は必死になって、魂をかける覚悟でこのイニシエーションを通過しようとしているのです。

 「n放世代」とされる言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

 当初は「三放」、すなわち恋愛、結婚、出産を諦めた世代の呼称だったのですが、これに就職、マイホームが加わり五放になり。

 さらに人間関係等をすべて諦めたn放世代(nは自然数で、ここでは「すべて」の意)へと進化を遂げたのですが。

 そうはならじと旧来のこの通過儀礼を通ろうとしている人々は、子供にありとあらゆる習い事をさせ、準ネイティブクラスに英語を鍛えさせ、最良では医師にさせるか悪くても30大財閥に就職させようとしているのです。

 中間地点はないのか、との話ですが。
 ……そこになければないですね。

 敢えていうなら試験で誰にでも開かれている公務員になることが中間地点ですが、これですら数年の浪人は当たり前。
 そりゃ、世界でもぶっちぎりの少子化国家になりますよ。

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