米国の労働組合、政策動かす 有権者1%でも大統領選左右
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN055PR0V00C24A3000000/
『2024年3月14日 2:56
ペンシルベニア州ピッツバーグ周辺のUSWの支部
【ワシントン=飛田臨太郎】米国で11月の大統領選を前に、激戦州である中西部・東部の労働組合が政策決定に強い影響力を持ち始めた。同地域の215万の組合員票の行方が大統領選の勝敗を決定づけるため、民主党・共和党ともに支持獲得に躍起になる。有権者の1%が全米を動かす構図だ。
バイデン大統領は13日に中西部ウィスコンシン州、14日に同ミシガン州を訪問する。製造業労働者に支持を訴える。「ラストベルト(さび
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『米労働省によると、2023年時点で組合員はそれぞれの州に74万人、56万人、64万人、20万人いる。4州の組合員数は全米で投票資格を持つ人(2.3億人)のうち1%弱だ。
20年大統領選の票差は、ペンシルベニアで8万、ウィスコンシンで2万と僅差だった。組織で動く組合票の動向が、情勢を左右する。
ラストベルトは長年、民主党が強かったが、16年大統領選で労働者が復権を掲げた前大統領がミシガンやオハイオ、ウィスコンシン、ペンシルベニアで全勝した。20年はバイデン氏が組合員支持を挽回し、オハイオ以外の3州を奪還した。』
『労組の中でも大規模労組のUAWとUSWの影響力が特に大きい。ラストベルトの労働者を研究するレイニー・ニューマン氏は「UAWやUSWは特定産業の工場労働者だけでなく、教師や看護師など幅広い層に組合員を広げている」と説く。
組織票の獲得だけにとどまらない。ニューマン氏は「一部の組合は重要な地域で選挙運動のための人を派遣し、多額の資金を費やす」と説明する。組合員が働きかけることで、一般有権者の投票行動にも波及する。』
『組合員数は長年、減少傾向にあったが、ウィスコンシン・マディソン大学のシメオン・アルダー客員准教授は新型コロナウイルス流行後の労働市場の逼迫が組合の政治力を高めたという。「23年はストライキが盛んになり、組合活動が強化されてきた」と語る。』
『「史上最も労組寄りの大統領」とアピールするバイデン氏は組合員の支持を固められていない。ニューマン氏は最近の現地の聞き取り調査で「多くのメンバーが前大統領にシンパシー(共感)を感じている」と指摘する。
米ピーターソン国際経済研究所のゲイリー・ハフバウアー氏は「バイデン氏は労組の強力な支持がなければ、激戦州を制する可能性はほとんどない」と予測する。CNNの調査によると20年選挙でも、ペンシルベニアは前大統領に投票した組合員がバイデン氏を僅差で上回った。』