闇(ダーク)ネットはどうなっているのか

闇(ダーク)ネットはどうなっているのか
https://www.tachibana-akira.com/2024/03/15026

『今回は2019年2月22日公開の「トロール(荒らし)や実況ポルノ、拒食症のピアサポートなど、「自由」という糸でつながるネットの「闇(ダーク)」サイトの住人たち」です(一部改変)。』

『イギリスのジャーナリストで、シンクタンク「デモス(Demos)」のソーシャルメディア分析センター・ディレクターでもあるジェイミー・バートレットは、2007年から過激な社会的・政治的運動の研究を始め、ヨーロッパおよび北米地域のイスラム過激派の動きを追跡し、アルカイダのイデオロギーに共鳴した若者たちのネットワークを解明しようとした。

だが2010年にこの研究を終えたとき、「世界は変わってしまったようだった」とバートレットはいう。陰謀論者、極右活動家からドラッグカルチャーまで、彼が遭遇したあらゆる新しい社会現象・政治現象がオンラインに移っていたからだ。

こうしてバートレットは、ネットの「裏世界」に足を踏み入れることになる。

そこで彼が発見したのは、「異なるルール、異なる行動様式、異なる登場人物のいる、パラレルワールド」だった。』

『今回は、バートレットの『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』(星水裕 訳/CCCメディアハウス)に拠りながら、英語圏のネット世界の現状を見てみよう。

そこから、インターネット黎明期にひとびとを魅了した「自由」がどのように変形したかが見えてくるはずだ。』

『ネットがトロール(怪物)を生み出す原因は、「スラーの6要因」としていまではよく知られている。

1、解離性匿名性(自分の行動が自分個人に帰されることはない)
2、不可視性(自分の顔は誰にもわからない。声で悟られることもない)
3、異時性(自分の行動はリアルタイムでは反映されない)
4、唯我論的摂取(自分には相手が見えない。相手の姿や意図は想像するしかない)
5、解離性想像力(これは現実の世界ではない。相手は本物の人間ではない)
6、権威の最小化(ここには権威を持つ者はいない。私は自由に行動できる)』