ゼレンスキー氏、前総司令官を駐英大使に決定

ゼレンスキー氏、前総司令官を駐英大使に決定
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『ザルジニー前総司令官=ロイター

【ウィーン=田中孝幸】ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ザルジニー前総司令官を駐英大使に充てる人事を発表した。近く英国に赴任する見通しだ。ザルジニー氏は2年前からウクライナに全面侵攻を続けるロシア軍との戦いで多くの功績をあげたが、2月に解任されていた。

同氏は国民的人気も高く、大統領選出馬の待望論も出ていた。ゼレンスキー氏には外国のポストに転出させることで、当面の政治的な脅威を除こうとする思

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『ゼレンスキー氏には外国のポストに転出させることで、当面の政治的な脅威を除こうとする思惑も透ける。

「ザルジニー将軍は私に外交の方向性について話していた」。ゼレンスキー氏は7日の国民向けの動画メッセージで、今回の大使転出の人事がザルジニー氏の希望に基づくものだったとの考えをにじませた。

同氏は2023年6月に始めた領土奪回の反攻作戦が失敗に終わる中、ゼレンスキー氏との確執が度々伝えられ、今年2月に解任された。次期大統領選での再選を目指すゼレンスキー氏にとって、ザルジニー氏が政治的脅威となったことも一因とされていた。

ゼレンスキー氏はこの直後、ザルジニー氏に国家最高位の勲章を授与した。解任に反発する世論への配慮があったとみられるが、人事への批判は和らぐ様子はみられなかった。

2月22日から3月1日まで3千人を対象にした現地の世論調査では、現時点で両氏らが立候補して大統領選を実施した場合、決選投票において大差でザルジニー氏がゼレンスキー氏に勝利するとの結果が出た。

ザルジニー氏が政党を創設した場合、過半数の議席を得る見通しであることも明らかになった。ゼレンスキー氏の政敵にはザルジニー氏との連携を模索する動きもあり、政権側は政局の安定のために早急な対応を迫られていた。

一方、ザルジニー氏は解任された後、ゼレンスキー氏への直接的な批判は控えてきた。自国軍が前線で厳しい防戦を強いられる中、国内の結束を乱してロシア側を利する事態を避けようとしたのは間違いない。

英国はウクライナが軍事的に最も頼りにする国の一つでもある。軍人一筋だった自身の活動の幅を広げられるほか、さらなる軍事支援の獲得に貢献できることもザルジニー氏が大使就任を受諾した背景にあるとみられる。

ただ、政権側が警戒するザルジニー氏が大使として十分に活躍できるかは不透明だ。ゼレンスキー氏は7日、シャップス英国防相とキーウで協議したと発表したが、X(旧ツイッター)に投稿した会談の写真にはザルジニー氏の姿は確認されなかった。』