対ロシア「スーパーホーク」、ヌーランド国務次官を更迭
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024)3月7日(木曜日)弐
通巻第8167号
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ヘイリーの予備選撤退の影に隠れたが、ゲームチェンジの兆候
対ロシア「スーパーホーク」、ヌーランド国務次官を更迭
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見方によっては「敵前逃亡」である。
ウクライナに「徹底的に戦え」と前線で叱咤激励し、「プーチンの政治生命を終わらせるまで、クリミアを取り返すまで戦え」と絶叫していたのが、ビクトリア・ヌーランド国務次官だった。
ワシントンがウクライナ支援で熱狂していた頃、ヌーランドはネオコンの騎手として、ウクライナ政策の外交決定権の主導権を握っていたとも言える。
昨夏、シャーマン副長官が辞任し、ヌーランドは『国務副長官「代行」』となった。彼女にしてみれば、バイデンから『代行』を取り外し、正式に「国務副長官」の任命を受けるはずと信じていた。副長官とは国務省のナンバーツゥーである。
ところが、彼女はウクライナ担当の重要会議から外されるようになり、たいした要件でもないのに、アフリカへいかされ、すっかりワシントンの空気が変わった。そして新国務副長官指名はカート・キャンベルとなった。上院指名承認公聴会で取り立てての反対はなかった。キャンベルは外交のベテランでキャリア組。日本にもよく来たがアジア通である。
つまりヌーランドは米国外交の政策決定過程で「鬱陶しい」存在となったのだ。
なぜなら戦局は明らかにウクライナの敗色が濃く、バイデンのウクライナ追加援助は半年に亘って議会が反対している。
世論は「停戦」を望んでいる。
おそらく朝鮮半島型の「休戦」となるだろうが、ゲームチェンジが近いということではないのか。
この流れに向かっているワシントンにとって、ずばりヌーランドは「邪魔」となった。詰め腹を切らされたとも言える。いや、過激派の「自爆」か。
嘗てマイダン革命の舞台裏で暗躍し、活動家たちにクッキーを配り、ロシアから蛇蝎のごとくに嫌われたネオコンの女闘士、「刀折れ、矢尽きた」か?
ウクライナに冷たくなった米国の空気を肌で感じているがゼレンスキー政権である。
3月7日にバイデンが主催するイベントにゼレンスキー夫人は「日程が調整できない」などととってつけたような理由で「欠席」を通知した。一説には同時に招かれているナワルヌイ夫人との同席が嫌だともいう。
メディアはヌーランド退任を殆ど伝えず、共和党予備選でニッキー・ヘィリーの撤退とトランプへのエンドースがなかったことを大きく報じている。彼女は撤退に際して『トランプ支持』を表明せずに「幸運を祈る」とだけ言い残した。
トランプをあそこまで戦ったニッキー・ヘィリーこそ、「刀折れ、矢尽きた」。世界のメディアは一斉に報じたが、ヌーランド更迭を報じたところは少なく、ワシントンポストが問題視しているくらいだ。
◎◎み○☆や◎☆ざ○☆き◎☆◎ま○☆さ◎☆ひ◎◎ろ○☆