バイデン氏、熱狂なき再戦に光明 拭えぬ内憂外患の苦難

バイデン氏、熱狂なき再戦に光明 拭えぬ内憂外患の苦難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06EFC0W4A300C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】11月の米大統領選は民主党のバイデン大統領が再選への最短距離と見すえてきた共和党のトランプ前大統領との再戦の構図が固まった。有権者の7割が望まない熱狂なき選挙戦に光明を見いだすバイデン氏には、内憂外患の苦難がのしかかる。

バイデン氏は6日、共和のニッキー・ヘイリー元国連大使が選挙戦から撤退すると表明した直後に異例の声明を出した。国内外に混乱を招くと前大統領批判を繰り返し

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『バイデン氏は6日、共和のニッキー・ヘイリー元国連大使が選挙戦から撤退すると表明した直後に異例の声明を出した。国内外に混乱を招くと前大統領批判を繰り返してきたヘイリー氏を「今日の共和党でトランプについて真実を語る勇気のある者はほとんどいない」とたたえた。

同時に「トランプはヘイリーの支持者を必要としていないと明らかになった。私の選挙戦には彼らの居場所があると明確にしておきたい」と記した。前大統領が支配を強める現在の共和党と距離を置く穏健派や無党派層を取り込む思惑がある。

「トランプの返り咲きを許さないためにヘイリーに投票した」「本選ではバイデンに投票する」――。共和予備選の序盤戦で投票所を訪れたヘイリー支持者が口にしたのは「トランプ復権」を阻もうとする点に集約される。

バイデン氏もそこに照準を合わせ「反トランプ票」の取り込みをめざすものの、低迷する支持率が期待の乏しさを裏付ける。米ギャラップが2月に実施した世論調査によると、バイデン氏の支持率は前月比3㌽減の38%で就任後最低の37%に迫る。』

『その筆頭に浮上したのが越境する不法移民などへの国境警備対策だ。ギャラップの調査で67%がバイデン氏の対応を支持しないと回答。共和支持層だけでなく、民主支持層や無党派層の評価も軒並み低下した。

前大統領は連邦議会で数の力をテコに、超党派による国境対策での合意に反対する。「いま合意すれば極左の民主党への贈り物になる」と主張し、バイデン氏との選挙戦で攻撃材料にするため多数派を握る下院に圧力をかけて破談に追い込んだ。』

『バイデン氏にとって、イスラエルとイスラム組織ハマスによる交戦が続く中東情勢も悩みの種だ。ギャラップの調査で国境問題に次ぐ62%が中東政策を「支持しない」と答えた。「支持する」と回答した民主支持層は51%で2023年11月の調査より9㌽、無党派層は21%で2㌽それぞれ低下した。

民主予備選ではバイデン政権の中東政策の不満が噴出。ミシガン州やミネソタ州の選挙で「支持者なし」を意味する「uncommitted」に投票する動きが表面化した。AP通信によると、ミネソタではバイデン氏の得票率は7割、支持者なしは2割にのぼった。

米政府は軍事支援するイスラエルに戦闘休止を繰り返し要求。バイデン氏が3月上旬に実現すると期待を表明しながら、なお実現していない。死傷者が膨れるパレスチナ自治区ガザへの攻撃を継続するイスラエルを制御できないバイデン政権へのいら立ちは国内外で募る。』

『経済運営にも不安が残る。足元では2022年のような歴史的な物価高は落ち着きを見せているものの、前大統領はバイデン政権が招いたインフレに批判の矛先を向ける。アメリカン・エンタープライズ研究所のカーリン・ボウマン名誉上級研究員は有権者の投票行動は「最終的には経済問題に帰結する」とみる。』