ナワリヌイは米国の政治家がマスコミ受けをよくするためにどんなイメージ戦術に…。

ナワリヌイは米国の政治家がマスコミ受けをよくするためにどんなイメージ戦術に…。
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『カミル・ガリーフ氏による2024-2-25記事。

   ナワリヌイは米国の政治家がマスコミ受けをよくするためにどんなイメージ戦術に縛られているのか、それを理解しており、それをじぶんにも課していた。

 簡略に言うと、俺は「ファミリー・マン」だぜ—というイメージが、米国では重要なのである。

 独りでバリバリやっているのではなく、家族をこんなにも大切にしている善い人なんですよ、と映像でPRし続けなくてはならない。

 西欧にはこのような政治風土は無い。ましてロシアには……。だからナワリヌイのPR戦術は、奇怪だった。ロシア人には、新風と映った。

 なぜ欧米でこの違いがあるかというと、合衆国には「君主制」の過去がない。その歴史の違いから、有権者は君主らしく見える人物からは感作を受けにくい。

 では合衆国大統領は、何らしく見えているのか。「ピューリタン教会の長老」である。
 ロシア政治では、「家族」がボーナスポイントになることは絶えて無い。
 もしロシアの政治家があらゆる場所に女房連れで現れたら、彼はヘイトの対象になる。
 ロシア国民から見て、じぶんたちのツァーリが女房の意見なんか聴いているようでは困るのだ。指導者として頼りないと映ずるのである。

 ニコライ2世も、ゴルバチョフも、それで蔑まれた。

 ロシアでは、指導者は、むしろ独身が好い。
 さもなくば、あたかも独身者であるかのように、配偶者を表舞台に出さないのが善い。
 ナワリヌイはロシア市民に期待を持たせたが、それはプーチン政治があまりにも息苦しいからである。

 ナワリヌイには、類い稀な「自信」があった。それが周辺者を感化した。それはカルト教組にも似ていた。

 ナワリヌイがロシアに帰国したとき、外部の観察者は皆、それは自殺行為ではないかと思った。しかし本人だけはそう思っていなかったのだろう。

 彼は自分が最後に勝つと信じていた。彼じしんがそう信じていなければ、周囲がそれを信ずるわけがない。』