前政権の駐日米大使、同盟は「互恵関係がトランプ流」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN010210R00C24A3000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】米国の前駐日大使を務めた共和党のウィリアム・ハガティ上院議員は29日、同盟・有志国との軍事・経済関係について「トランプ前大統領は常に互恵関係を求めている」と述べた。 11月の大統領選で再選しても、前大統領が日本の駐留米軍を撤退させる事態を否定した。
連邦議会内で日本経済新聞など一部日本メディアのインタビューに答えた。ハガティ氏はトランプ前政権だった2017〜19年に駐日大…
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『前大統領が唱える「米国第一」について「米国の孤立を意味すると誤解されている」と指摘。日本などの同盟関係を強化したと振り返り「決して孤立主義ではなかった」と表明した。』
『前大統領は2月に北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛義務を順守しない可能性に言及。自国の防衛費を国内総生産(GDP)比2%以上にする目標が未達の加盟国を念頭に「ロシアが望むことを何でもするよう促す」と主張した。
ハガティ氏は「前大統領はNATOの同盟国が歩み寄り、資金を支払う必要がある点で一貫している」と言明。「貿易関係、軍事・共同防衛関係において、常に互恵関係を求めている」と訴えた。』
『世界に展開する駐留米軍に関しては「それぞれの状況はそれぞれのメリットで評価されなければならない」と説いた。「前大統領は常に日本との関係を強くすることを望んでおり、その方向性に満足している」と明言し、在日米軍撤退の可能性を否定した。』
『前大統領は通商交渉などで多国間協議を嫌い、2国間取引を重視した。ハガティ氏は「彼は私と同じビジネスパーソンで急速な進展を好む。 多国間での対処に反対していると思わないが、最も効果的で迅速な方法を模索するだろう」と語った。』
『関税を巡っては「米国は世界で最も低い水準にある。戦後経済が壊滅的な打撃を受けた国の再建を支援するために、非常に有利な貿易条件を作り出した」と発言。米欧の自動車関税が不公平だとの見方を示し「今日の問題は相互主義が根底にない、偏った貿易協定を結んでいることだ」と断言した。』
『同盟・有志国との協力を重視する民主党のバイデン大統領は日米豪印による「Quad(クアッド)」や、米英豪の安全保障分野で協力する「AUKUS(オーカス)」などの創設を主導した。ハガティ氏は共和党政権では一連の多国間枠組みが「より強固になるだろう」と述べた。』
『日朝首脳会談については「岸田文雄首相が望んでいるのは前向きなことだ。問題を無視するより効果的だ」と評価した。前大統領が再選したら再び北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会談する可能性に触れ「前大統領は対話が解決への道だと理解している」と話した。
日韓など同盟国との防衛協力について「相互運用性を高める機会を探ることになるだろう」との見通しを示した。日本での米海軍艦船の補修を歓迎し「日本での能力増強には意味がある。技術やノウハウを活用する機会はどこにでもある」と唱えた。』