オランダのウィルダース氏、連立政権樹立のためウクライナ支援停止を撤回
https://grandfleet.info/european-region/dutchman-wilders-reverses-suspension-of-aid-to-ukraine-to-form-coalition-government/
『2024.02.25
オランダの総選挙でウィルダース氏率いる自由党(PVV)は勝利を収めたものの「ウクライナへの軍事支援停止」が妨げとなって連立協議が破綻、ウィルダース氏は24日「PVVはウクライナを支持し如何なる支援についても喜んで協議に応じる」と表明して支援停止を撤回した。
参考:Dutch election winner Wilders willing to consider more Ukraine aid
PVVがウクライナとの2国間協定締結を阻止するのは難しいだろう
昨年11月に実施されたオランダの総選挙でウィルダース氏率いる自由党(PVV)は勝利を収め、潜在的なパートナーとして新社会契約党などと連立協議を行っていたもの、ウィルダース氏が主張する過激な政策(反移民政策、反EU政策、ウクライナへの軍事支援停止)が妨げとなり、モスク、イスラム学校、コーランを禁止する法案を撤回して何とか連立協議をまとめようとしたが、2月7日に新社会契約党が協議から離脱したためPVVは与えられた期間(2024年2月中)内に政権を樹立するのが難しくなっていた。
De oorlog die Rusland twee jaar geleden begon tegen Oekraïne kan niet anders dan illegaal en barbaars worden genoemd. De PVV steunt Oekraïne en is bereid om over iedere vorm van hulp te praten. Maar een demissionair kabinet kan echt geen akkoord voor tien jaar afsluiten. https://t.co/n2uDUCsGAz
— Geert Wilders (@geertwilderspvv) February 24, 2024
潜在的なパートナーらは23日「PPVが主張するウクライナへの軍事支援停止を支持したことは1度もない」「今後もウクライナに対する政治的、経済的、軍事的支援を必要な限り継続したい」と共同声明を発表、これを受けてウィルダース氏は24日「ロシアがウクライナに対して始めた戦争は違法かつ野蛮なものと言わざるを得ない」「PVVはウクライナを支持し如何なる支援についても喜んで協議に応じる」と表明、事実上「ウクライナに対する軍事支援停止」を撤回した格好だ。
因みに暫定政権を率いているルッテ首相はPVVが連立政権の樹立に手間取っている間に「ウクライナと安全保障に関する協議」を進めており、24日「まもなくウクライナと2国間協定を締結する」と発表、ウィルダース氏は「暫定政権が10年にも及ぶ協定を締結することができない」と主張しているが、政権樹立のキャスティングボードをウクライナ支援を支持する野党に握られているため、PVVが協定締結を阻止するのは難しいだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:K. Wennekendonk/CC BY 4.0 DEED
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 19 』