エジプト、ガザ境界に難民エリア整備か 衛星画像で確認

エジプト、ガザ境界に難民エリア整備か 衛星画像で確認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB220W30S4A220C2000000/

『パレスチナ自治区ガザ最南部ラファに隣接するエジプトで、境界沿いにガザからの難民流入に備える目的とみられるエリアが整備されていることが、最新の衛星写真でわかった。イスラエル軍がラファへの地上侵攻に向け準備を進めるなか、エジプトは警戒感を強めているもようだ。

米衛星情報会社マクサー・テクノロジーズが公開した衛星写真には、ラファとエジプトの境界付近で、整地された土地を囲う壁の建設が進む様子が写し出されている。

整地された土地を囲む壁が建設されている(21日)=Satellite image ©2024 Maxar Technologies

マクサーの分析によると整地された土地は約16・5平方キロメートルあり、建設機械が使われたもようだ。この土地が難民の受け入れに使われる可能性がある。
駐車スペースに並ぶトラック(21日)=Satellite image ©2024 Maxar Technologies

この土地の一画には、数百台のトレーラーやトラックが並ぶ駐車スペースもある。さらに別の写真では、国境に通じる道路沿いに工事に関係があるとみられるトラックの列が確認できる。
エジプトとガザの境界に続く道路に列をなすトラック(21日)=Satellite image ©2024 Maxar Technologies

一連の土地の整備は、イスラエル軍が攻勢を強めるガザから難民が大量に流入する懸念からエジプト当局がとった措置の可能性がある。

英BBCなどによるとエジプト側は否定し、過去に過激派組織「イスラム国」(IS)に対する作戦で破壊された「家屋の記録を作成するため」だと説明している。イスラエル側は「パレスチナの民間人をエジプトに避難させる意図はない」としている。

エジプト政府は難民の流入を警戒し、イスラエルにラファ侵攻を避けるよう警告してきた。エジプトはイスラエルに対し両国間の平和条約の停止もちらつかせている。

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