ロシア軍がポブジェダを占領、ウクライナ軍はドネツク西郊外の防衛拠点を失う

ロシア軍がポブジェダを占領、ウクライナ軍はドネツク西郊外の防衛拠点を失う
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-occupy-povzheda-ukrainian-army-loses-defense-base-in-western-donetsk-suburbs/

『ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは21日「ロシア軍がポブジェダの中心部に赤旗を掲げて集落を解放した」と報告、赤旗を掲げた様子は視覚的にも確認され、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「ウクライナ軍がポブジェダを失った」と認めた。

参考:Южнодонецкое направление: освобождение Победы обстановка по состоянию на 14.00 21 февраля 2024 года
参考:Донецкое направление: чего ждать после Победы обстановка по состоянию на 15.00 21 февраля 2024 года
参考:Хроника специальной военной операции за 21 февраля 2024 года
参考:Мапу оновлено!
ロシア軍の前進を食い止めてきたヘオリフカ~ポブジェダラインの一角が遂に崩れてしまった

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは19日「第20自動車化狙撃師団は数日間の激しい戦闘の末、ポブジェダの東位置する集落の一部(倉庫)を占領して集落東郊外に到達することができた」「ウクライナ軍も倉庫付近のロシア軍を押し返すためコスティアンティ二フカ方向から戦車を投入して反撃を試みている」と報告していたが、21日に「ロシア軍がポブジェダを解放した」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARは「ロシア軍が数ヶ月間に渡って戦闘が続いたポブジェダの中心部に赤旗を掲げた」「ウクライナ軍はマリンカ~ポブジェダのラインに沿って防衛ラインを築いていた」「ヴーレダーの兵站拠点として機能するコスティアンティニフカへの前進を阻んでいたのはポブジェダ周辺の要塞だった」「ウクライナ軍はポブジェダを保持するため第79空中強襲旅団、第95空中強襲旅団、第33機械化旅団の部隊を送り込んで反撃に出たものの成功しなかった」「この事はウクライナ軍が如何にポブジェダを守ろうとしていたかを強調している」と言及。

さらに「ウクライナ軍はポブジェダの西にある丘に拠点を築いてロシア軍の前進を遅らせようと試みている」「アントニフカとカテリニフカからも無差別にロシア軍陣地を砲撃しているが、ロシア軍がノヴォミハイリフカ方向から前進しているためノヴォミハイリフカ~コスティアンティニフカ線上のウクライナ軍は日に日に困難な状況に追い込まれている」と報告、マリンカ陥落後にロシア軍の前進を食い止めてきたヘオリフカ~ポブジェダラインの一角が遂に崩れてしまった。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

ロシア軍がポブジェダの中心部=Ⓐに赤旗を掲げたのは視覚的にも確認されており、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも22日「ウクライナ軍がポブジェダを失った」と認めているが、RYBARは「ロシア軍がクラスノホリフカ南郊外にも支配地域を広げた」と主張。

クラスノホリフカの西郊外は2014年以降に要塞化されたため守りが固く、マリンカを保持していた関係で南郊外は西郊外ほど強化されていない。しかしクラスノホリフカはマリンカ方向から見て高台に位置し、市内にはコンクリート製の建造物も多いため「この方面の迅速な成功を期待すべきではない」とRYBARも指摘している。

ポブジェダ陥落はDEEP STATEの報告、RYBARの報告、視覚的証拠の3つが揃ったため事実と断定してもいいだろう。

因みにRYBARはリマン方面についても「ロシア軍がテルニー方面に前進した」「あと1km前進すれば集落に到達する」と報告しているが、DEEP STATEはテルニー方面について言及しておらず、RYBARの報告内容は視覚的にも確認されていない。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

さらにドニエプル川左岸についても「ロシア軍はクリンキー集落全体を支配していない」と戦況マップの中で示唆しており、ショイグ国防相やサルド氏が発表した「クリンキー掃討の完了」は侵攻2年目を迎える前に仕掛けたプロパガンダだった可能性が高い。

関連記事:侵攻726日目、アウディーイウカ制圧後も各方面でロシア軍の前進が続く
関連記事:ウクライナ軍はドニエプル川左岸から撤退? ロシア軍がクリンキーで国旗を掲げる
関連記事:ロシア国防相はクリンキー掃討が完了したと発表、ウクライナ軍は即否定

※アイキャッチ画像の出典:Z ParaBellum MD
シェアする
ツイートする
Twitter で Follow grandfleet_info

Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 

投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 45  』


歴史と貧困
2024年 2月 22日

返信 引用 

「ヴーレダーの兵站拠点として機能するコスティアンティニフカへの前進を阻んでいたのはポブジェダ周辺の要塞だった」
マリンカ陥落が12月、アウディーイウカが2月17日に陥落、ポブジェダが2月21日に制圧される。

南東方面が崩れていくのが分かります。ノボミハイリフカが硬いとはいえ、ポブジェダを失った以上、三方向から包囲されれば維持は厳しい。
隣にコスティアンティニフカがあるので、せめてバフムートからチャシブヤールへの撤退に近しい形には出来ると思いますが。

最終的には、ウグレダールまで制圧されるのは避けられそうもない。
ロシア軍からすれば急ぐ必要もなく、兵站線を着実に伸ばしつつ火力と兵力を集中させて一つ一つ削っていけばいいだけ。
27

    匿名11号
    2024年 2月 22日
    返信 引用 

それはまた気の長いことで、果たして何年かかりますかね。

12月2日の記事の地図と比べると3カ月近く経っているのにあまり進んでいない。
進撃速度100m/日どころか50m/日以下じゃないすか?
4
        ( ゚Д゚)
        2024年 2月 23日
        返信 引用 

    そうですね^^
    1
        冬戦争
        2024年 2月 23日
        返信 引用 

    1943年7月のクルスクの戦いの後、ソ連軍は8月にハリコフを奪還し、11月にキエフを奪還しました。予備兵力が有り、戦線が維持出来ている間と予備兵力を失い、戦線を維持出来なくなった後では進軍スピードは異なります。
    15
        歴史と貧困
        2024年 2月 23日
        返信 引用 

    >それはまた気の長いことで、果たして何年かかりますかね。
    貴方は、農作業や建設作業が嫌いなのでしょうね。現代人の悪さがモロに出ている人種だ。貴方なら、数年後にはウクライナなど飽きて忘れているのでしょう。
    目標を掲げて何年も地道に努力するのは、学校の勉強や筋トレに至るまで、基本にして最重要。
    自分は何も努力しないまま他人を嘲って自己満足に浸ることしか知らない者は、何の成果も挙げられない。

    国家を作る、ウクライナを統合して新しい体制を築こうとするなら、本質的には何十年もかかって当たり前。
    ゆっくりでもいいんですよ、ロシアは。何せ隣国であり同じスラブ民族。アメリカとアフガンの関係とはならない。
    むしろ、ローマがブリタニアを60年かけて属州化したように、一気に軍事力で制圧して後で内乱に苦しむよりも、三世代以上かけて着実に同化させていく道のほうが手堅いとも言える。
    16
            匿名11号
            2024年 2月 23日
            返信 引用 

        戦争が契機になって被侵冦側に民族意識が芽生えるのは歴史的によくあることですがね。それまでの関係が壊れるのは一瞬、ロシアも下手をうったものです。それに戦時経済というものは長期的には国力を毀損していきますからね。3世代も外征戦争を続けられるわけがない。

        なお、ナメクジのような進撃を延々と続けることは、着実な努力のかけどころとして間違ってますな。
        目的に対して着実に努力することに意味があるのであって、思考停止で惰性的に続ける努力がそれ自体目的化しては、ろくなことにならんです。
        1 』