神話での統治が限界に達した独裁者達
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『世界で有名な独裁国家と言えば、ロシア・中国・北朝鮮ですが、時期を同じくして、神話で統治していたスタイルが限界に達して、恐怖で統治する独裁者の本質がダダ漏れし始めています。意図的に神話を作り上げて、それを国民に信じさせるのが、独裁統治では最も効率が良い方法です。どこの国も、権威という誰が保障したわけでもないのに、自然と従う対象を中心に国家設計する過程を一度は通過しています。
恐らく、主要国で唯一の例外が、建国して200年ちょいのアメリカです。この国は、そういう権威が無い中で建国したので、民主主義が発明され、わざわざケネディー家という他国の王室にあたる名家を作ったのですね。こういう国家は国家で問題が無いわけではなく、すぐに国民の分断が起きます。国家と個人を別に考える思考が定着しているので、良く言えば国家に対する執着がありません。軸になる権威が存在しないので、代わりを求めて、過激な市民運動に走りがちです。そこの代表が、それに参加する人の権威になるのです。国家の中に権威の柱が無いからと言って、人間が権威を欲しない事とは別です。基本、集団行動で、この地球の覇権を握った人類という生物は、糾合する為の手段が必要不可欠なのです。
ロシアの場合、それはプーチン氏の愛国心という、一度、ソ連崩壊の中で崩れた権威の復権にありました。プーチン氏の愛国・英雄神話というのは、かなりの演出が入っています。ロシアがチェチェンなどに侵攻する場合、わざわざ前線に出るプーチン氏を撮影させています。ヤラセとまでは言いませんが、国家英雄としてのイメージを演出する事を念頭に置いた行動です。その目的は、民族主義的な英雄になるのが、国家指導者として独裁を布くのに便利だからです。なので、旧ソ連政府が思想の中で捨てた、ロシア正教会という草の根の権威を復興し、それに乗っかる形で、神から使命を受けた民族の英雄的な立ち位置に起きました。その為、今でもプーチン支持者は多いのです。
それが崩れたのは、先日の記事でも取り上げたナワリヌイ氏が、「安い給料で大統領は働いている事になっているが、保養地に御殿みたいな隠し別荘を所有し、巨大な豪華クルーザーも持っているぞ」と暴いてしまい、この動画が1億再生超えで視聴されたからです。現代でも、ネットを見る習慣のあるロシア人は、年代によって激しく分かれるので、これを観て目が覚めたのは、国民の一部に限られます。テレビしか観ない層は、未だに「偉大な指導者プーチン」を称える番組しか目にしていないので、家族で政治問題が拗れる事件が起きています。
神話が崩れると、どうなるかと言うと、ナチュラルな国家糾合が維持できなくなるので、恐怖による統治が始まります。また、民族主義を煽る為に、外部に敵を作って、場合によっては戦争をしかける事で、国家体制を維持しようとします。何度か、このブログで記事にしていますが、現在のNATOというのは、加盟国が自国の軍事予算を削りまくった結果、現状維持すら難しい程に足腰が弱っていて、弾丸の製造能力すらおぼつかない状態です。凄く冷めた言い方をすると、羊の群れが何頭集まっても脅威にはならない状態でした。よっぽど無能な指導者でない限り、それをロシアも把握していたはずです。なので、NATOの脅威の為にロシアが軍事侵攻したというのは、完全な嘘です。それより、ロシア国内的な政権維持の都合の為に、政治的な効果のある周辺国を併合して、プーチン氏個人の神話を維持する必要が発生したので起きたと言うべきでしょう。
同じ事は中国にも言えます。習近平氏は、「腐敗防止」という錦の御旗を掲げて、それを看板に国家主席にデビューしました。国家保安部を掌中におさめて、ライバルを失脚させる中で、「どんな罪であっても失脚させられない」と認識されていた、チャイナ7の中からも刑務所送りを出した事は、ある程度の共産党の自浄能力を感じさせるものではありました。習近平氏からしたら、邪魔者を除外しただけなのですが、外目には、そう見えなくもありません。自らの功績を毛沢東や鄧小平に並ぶモノとして記録し、香港のイギリスとの約束を反故にしてまでの強引な併合で、自らの功績とする事で、自分の手柄にする事で権力基盤を強固にします。果ては、「習近平思想」なる「毛沢東語録」のパクリ本を学習する事を義務付け(大学受験の必須科目になっています)、小学校の道徳の時間に学ぶカリキュラムを組む事で、自分を神格化しようとしたわけです。
しかし、若年層の失業率が公式で20%超え、ニートを含めると、40%を超える程に経済が悪化すると、直接の被害世代である若者は、白紙革命などの無言の抗議を始め、過去の中国共産党の所業を知っている老人は、銀行から預金を下ろして、金などの貴金属に変え始めました。また、意思のある者は、中国を捨てて、アメリカへ不法移民として流入しています。こうなると、戦狼外交や台湾侵攻など、外国に対する横暴を目立たせる事で、やはり民族主義を煽って政権を維持しようとします。と同時に、やはり取締強化による人民の管理を強化して、恐怖で体制を維持しようとします。しかし、実際に海外に出て仕事をしている中国人は、中国大使館がいかに人民を守らないか知っています。中東などで政変が起きた時、各国が自国民の保護と帰国に奔走する中、中国大使館は何もしないので有名です。威勢の良い言葉と裏腹に、ちゃんとした関係を築いていないので、どこも助けてくれないのです。また、自国民を助けるべきだとも思っていません。大使は官職であって、中国人にとっては立場でしかないからです。中国政府の意向を伝えるメッセンジャーであって、相手にするのは、その国の高官だけです。
北朝鮮では、まさにキム一族は、神話と同一です。白頭山で神託を受けた指導者という事になっています。本当に、そう教育していたので、日本が残してきた鉱山やダムなどのインフラが機能していて、北朝鮮の経済が韓国を上回っていた時期は、単純に受け入れられていました。韓国よりマシな生活をしていたという信じられない時期があったのです。というのは、鉱物資源は北朝鮮に集中していて、鉱山開発は日本が行った後を引き継ぐだけで良かったし、巨大なダムも日本の資本で建設済みで、それを利用すれば、電力も豊富だったのです。これに比べて韓国は、何も無い状態からの出発でした。
しかし、強権による王朝支配で、どんどん貧しくなり、鉄道を始めとしたインフラは、どんどん老朽化し、それをメンテナンスする資金にも事欠くようになります。独裁者に多い傾向として、派手な成功を狙って、博打みたいな政策を打って、失敗しても「大成功」とするので、反省する事が無く、失敗に失敗を重ねて傷口を広げるという事になります。最終的には、軍事力で脅す事で、他国の資産をかすめ取る事でしか国を維持できなくなります。北朝鮮の大使館は、自国で生産した覚醒剤の売人をしている事で有名です。本国から大使館を維持する資金が送られてこないので、自分で覚醒剤を売って稼ぐしかないのです。また、偽札製造も昔から得意です。ハッキングによる仮想通貨の盗みも常態化しています。ちなみに、ハッキングのコンテストで1位の常連は、北朝鮮のチームです。ITのインフラは整っていませんが、一部のスーパーエリートの実力は、世界クラスです。まぁ、仕事は盗みなので、自慢できる事ではありませんが。
つまり、他国が作った資産を、不正な方法で盗む事でしか国が維持できなくなったのです。もちろん、キム王朝、3代も続いた神話も、今では信じている人も減っています。この前、国の命令で中国に出稼ぎに行かされていた北朝鮮労働者が、食事にも事欠く搾取に反抗して、本国から監督の為に派遣された監督官を暴動で殺す事件が起きましたが、こんな事は過去に無い事です。死ぬか生きるかまで追い詰められて、恐怖心が麻痺したと考えられます。もう、どう教育しても、神話を維持するのは無理で、恐怖での統治も、国民が麻痺するところまで、生活が追い詰められています。
周辺国から見ると、神話で政権が維持できなくなった独裁者が一番危険という事になります。彼らも、生きるか死ぬかの博打はしたくないので、戦争が好きなわけではありません。自然に国民から讃えられているうちは、敢えて国外に攻め入ろうなどとは考えないものです。多くの場合、国外の理由よりは、自国内の政権維持に限界がきたので、外国に視線を逸らす目的、民族主義を煽る理由で行います。』