北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:騎馬遊牧民スキタイ人のヘロドトスの記述は事実だった!
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『古代ギリシャの歴史家ヘロドトス Herodotus(紀元前484年~425年)は、2400年以上前に、騎馬遊牧民のスキタイ人:Skythai は人間の皮を使って矢筒を作ると書き残した。
これまで疑問視されることが多かった記述だが、このたび、それが事実だったことが確認された。
2023年12月13日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文には、「この調査結果によって、ヘロドトスのおそろしい主張が裏付けられたものと考える」とある。
ヘロドトスによると、スキタイ人は最初に殺した人間の血を飲んだり、頭皮を集めたりしていた。
「死んだ敵の右手から、皮や爪などあらゆるものを集め、矢筒のカバーにする者も多い。人間の皮は厚く、光沢があるので、あらゆる動物の皮の中で一番明るく白いとも言われる」と、ヘロドトスは紀元前5世紀に記している。
02今回の研究では、これまでに発掘されたウクライナ南部にあるおよそ2400年前のスキタイ人の墳墓(クルガン)18基で出土した革の断片45個と毛皮の断片2個を分析した。
「ペプチドマスフィンガープリンティング」と呼ばれる技術を使って特徴的なタンパク質(皮膚のコラーゲンと毛皮のケラチン)を調べたところ、45個中36個で動物の種を特定できた。
そしてそのうち2つは、54d4fb99明らかにホモ・サピエンスのものだった。
どちらも、ヘロドトスが述べたように、矢筒に使われていた。(参考記事:「2千年前のシベリアに暴力の時代、犠牲者の遺骨が続々出土」) 参照記事;古代スキタイ人は戦いで倒した人間の皮膚を利用して皮製品を作っていた
Margarita-Gleba論文の最終著者でイタリア、パドバ大学の考古学者であるマルガリータ・グレバMargarita Gleba氏は「ヘロドトスが伝えているのは根拠のないことではなく、スキタイ人は明らかに人間の皮を使って文化的人工物を作っていました」と述べた。
人間の皮が使われていたのは、矢筒の最上部だけのようで、それ以外はウシや野生のキツネなどの「普通」の動物の革でできていた。
Skythian_archer_plate_BM_E135_by_Epiktetos800px-Scythians_sho ヘロドトスによると、スキタイ人は戦士としてよく知られており、戦争にも狩猟にも使う短弓(ショートボウ)をとりわけ重要視していた。01左は、馬に乗ったスキタイ人を描いた金の飾り板。スキタイ人は、紀元前5世紀にペルシャと戦ったと言われる遊牧民族。
ヘロドトスは、steppes『歴史』全9巻のうちほぼ1巻をスキタイ人に割き、黒海の北に住む騎馬民族と記したが、スキタイ人やそれに関連する遊牧民グループの考古学的証拠は、ウクライナから中国西部にかけてのユーラシアのステップ地帯(半乾燥気候下の樹木のない草原地帯):右図緑色 で広く見つかっている。(参考記事:「スキタイの黄金の埋葬品を発掘、「世紀の大発見」」)
FireShot Webpage Screenshot #704 – ‘14359_png_webp (WEスキタイ人について研究しているグイド・ネッキ・ルスコーン氏によると、スキタイ人は紀元前900年ごろのカザフスタン東部にあるアルタイAltai山脈に由来すると考えられるという。なお、氏は今回の研究には関与していない。左は、紀元前700~300年前のスキタイの分布(オレンジ)とペルシャ(紫)の勢力分布 Scythian Territorial Expanse, c. 700-300 BCE
英オックスフォード大学の考古学者バリー・カンリフ卿は、矢筒に人間の皮を使うことは、矢に魔力を込める意味があったのではないかと考えている。
「敵の一部を持つことで、敵の力を抑えようとしたのでしょう」、、。参照記事 参考:新しい研究により、スキタイ人がいくつかの工芸品に敵の人間の皮膚を使用したことが確認されました:
ステップ地帯一帯で、勇敢で強かったとも、残虐で略奪と殺戮を繰り返したとも言われるスキタイ人は、3世紀にゲルマン人の一派で、黒海北岸に居住(現在のウクライナあたり)していた東ゴート人(東ゴート族)Ostrogothsに滅ぼされたと言われている。
参考:2千年前のシベリアに暴力の時代、犠牲者の遺骨が続々出土:』