日経平均の「砂漠」を知らないJ世代 株高の持続力左右
金融PLUS 金融グループ次長 亀井勝司
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB30CO00Q4A130C2000000/
※ 株式などの「リスク資産」を保有する、ということは、「遠い国」「あまり、馴染みの無い国」の、「自分の日常とは無関係(に思える)遠くのでき事」が原因で、自分の「保有する資産価値」が、二分の一に減少する、四分の一に減少する「リスク」を負う…、ということだ。
※ 「リーマン・ショック」はなぜ起こったのか、その本質とは何か…。
※ 日本の「バブル崩壊」において、なぜバブルは「形成」され、「崩壊」はなぜ起こったのか、その「崩壊」の引き金になったのは何なのか…。
※ そういうでき事について、情報収集し、解析する「心の覚悟」「能力」の無い人は、株式なんかに「投資」するのは、止めといた方がいい…。
※ そして、「リスク資産投資」で最も重要な「資質」とは、「暴落」「ダダ下がり」の局面に遭遇した時も、冷静さを失わず、平常心で、淡々粛々と「手を打っていく」ことができる「胆力」だと思っている…。

『日経平均株価が34年ぶりに3万8000円台を回復した。好調な企業業績を背景に年初から14%上昇し、1989年の大納会でつけた史上最高値の更新が迫ってきた。1月から始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)では海外株に向かう個人投資家の姿が目立つが、最高値を知らない「J」世代の動向が株高の持続力のカギを握る。
「グラフをどこから見るかで印象は全然違うものになる」。金融庁で企業開示などを担当する新…
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『金融庁で企業開示などを担当する新発田龍史参事官が話すのは日経平均株価のグラフだ。足元の株価が34年ぶりの高値水準にあることを示すためのグラフは、89年12月29日に記録した3万8915円が起点となる。
史上最高値を経験している50歳以上の人にとっては下落と回復を経た「U」の字に近づいている「し」の字に映る。一方、30歳前後の層からみれば現在の株価水準は「J」の字、つまり未体験ゾーンに入っていると指摘する。
「し」の字世代にとっての最高値はバブル経済の絶頂とその後の崩壊、そして日本経済の失われた30年とセットで記憶されている。政府が「貯蓄から投資」の旗を振ったところで、株価は落ちる、回復には長い時間がかかる、という実体験が「投資から貯蓄」の合理性を高める結果につながった。
半面、「J」世代にとっての現在の株価は回復というより上昇局面で、自分が生まれてからの最高値を更新し続けていることになる。1月に始まった新NISAで資金流入上位を米国株に投資する投資信託が占めているのは、米国株が最高値を更新し続けてきたためだ。
米株式市場の主要株価指数であるS&P500種株価指数は9日、終値で史上初めて5000を突破。ダウ工業株30種平均も今年に入って相次いで史上最高値を更新している。米国株は上がるもの、投資して放っておけば値上がり益が得られるもの、という認識が個人マネーを米国株に向かわせている。
楽天証券によると新NISA口座開設者のうち半数は30代以下の若年層が占める。投資に振り向けられる余裕資金は「し」の字世代にはかなわないが、過去の苦い記憶を持たない分、投資にためらいがない世代ともいえる。超低金利の預貯金の価値が目減りする物価上昇も進み、貯蓄から投資は掛け声ではなく自己防衛の意味合いも帯びる。
証券業界で3万8915円は「さばくいこう38915」の語呂合わせで記憶されている。日経平均株価は再び「砂漠」を視界にとらえるまで34年を要した。砂漠を知らない世代のマネーが日本株に向かうかどうかが、息の長い株高につながるかを左右する。
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