「ロシアをけしかける」トランプ発言の真意(どーせ、切り抜きだろ)

「ロシアをけしかける」トランプ発言の真意(どーせ、切り抜きだろ)
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/33497860.html

『トランプ前大統領が2月10日のサウスカロライナ州の演説で、大統領時代の話として、「NATO加盟国攻撃をロシアに促す」発言をしていたとして記事になっています。いゃー、東スポ並の見出し記事ですね。トランプ前大統領がNATOに限らず、韓国にも、日本にも、相応分の防衛に関する分担負担金を支払えと言っていたのは、既知の事実であり、いまさらニュースにする事に何かしら意図的なものを感じます。

この発言の背景になっているのは、NATO加盟国の防衛費のタダ乗りです。ロシアがウクライナに侵攻するまでは、脅威は遠ざかったと考える政治家が増え、防衛というのは、コストカットの対象でした。以前の記事で、足腰がボロボロになり、所有している武器の半分程度しか、整備不良などで稼働できない体たらくであるイギリスやドイツの様子をブログに投稿しましたが、その程度というのは、かなり酷いです。そもそも、将官クラスの人材を育成する予算が、各国で厳しいので、お互いに人材を融通しようという段階までコスト・カットも進んでいて、フランスの防衛制服組のトップが、「こんな予算では、国家の防衛に責任が持てない」と言って、辞任するくらい、軍備に対するコスト・カットの重圧が強かったです。

その為、実はNATO加盟国で、まともに分担負担金を支払っていたのは、何と2割です。正式にGDPの2%を拠出する事を決めていたにも関わらず、実質的に30カ国中、8割の加盟国が約束を守っていません。その中には、ドイツもフランスも入っています。切り抜きをしていない、実際のトランプ発言は、以下の文脈で出てきたものです。

記者「十分な負担金を拠出していないNATO加盟国がロシアから攻撃を受けた時に、アメリカは防衛しないのでしょうか」

トランプ氏「防衛しない。むしろ、ロシアに対して望み通りに行動するように促す」

という事です。つまり、防衛をタダだと思っている国は、相応の報いを受けても仕方ないと言っているわけです。これについて、同盟国なんだから、言い方があるでしょうという話も出るでしょうが、NATOのタダ乗りというのは、昨日や今日に始まった話ではなく、脅威が現実化していなかった時点では、「アメリカに付き合って、加盟しておいてやる」くらいの態度だったので、最低でも国家間の正式な取り決めくらい守れといういう意味で言っています。まぁ、言ってしまえば、「不法移民は認めない」を「移民排斥」みたいに言い換えているのと同じ手法ですね。義務を果たしていない国に、執行を要求する時に、優しい言い方は難しいですよね。なので、そういう言い方をしただけです。

歴代のアメリカの大統領は「同盟国」という魔法の言葉を出すと、大概の分担金は出して、何も言わなかったので、そういうものだとやっていたら、正論をキツイ言葉で言われたってだけの話です。まあ、後半の言葉は、敢えて言う必要は無かったと思いますが、難民救済、CO2削減と欧州が盛り上がっている一方で、自分たちで欧州を守る意識は欠落していたという事です。古い枠組みに、付き合いで参加してやっているみたいな軽い気持ちでいたのですね。しかし、実際にロシアは手を出してきました。

ロシアに過度に依存するドイツに対して、当時のトランプ元大統領は、何回も忠告をしていました。エネルギー依存し過ぎる事と、中国の市場に入れ込み過ぎる事ですね。ガスパイプラインで、天然ガスで輸入するのと、液化天然ガスを船舶で輸入するのを比べれば、コストの差は段違いです。当時、ドイツは、ノルドストリーム2が承認直前で、さぞかしトランプ大統領が煙たかったでしょう。こういう事をロシアが観察して、「ヨーロッパは、バラバラだ。ウクライナに侵攻しても、どうせ何もできやしない。有象無象の羊の群れに何ができる」という判断に繋がったと思われます。国同士の関係でも言えるのですが、やった方は忘れても、やられた方はソ連時代の搾取を忘れていません。東欧諸国は、本気でロシアという存在が嫌いです。NATOは加盟国を増やす事で、軍備を伴わなくても、それがロシアに対する圧力になって封じ込めると思っていたのが間違いです。今のドイツ経済は、車の両輪だったロシアと中国が外れた事による影響が大きいです。

オバマ元大統領がイランと締結した核合意についても、これをトランプ政権で、ひっくり返した事など、当時は批判されましたが、耳に心地よい響きの裏で、イランが、どれだけ国外のイスラム過激派を支援し、武器を提供していたかを見るに、そもそも守る気があったのか怪しい話なのが判ります。今の中東の混乱を見るに、強い抑止力を維持しなかった場合、あの地では平和よりも闘争を選ぶ事情のある地域だという事です。表面上の外交では、「話し合いで解決」となるのですが、相手に解決する気が無い地域というのがあります。少くても、バイデン政権を見て、「今の大統領のうちに、目的達成の為に暴れる好機だ」と考えたテロリストは、大勢いたという事です。元をたどれば、アフガニスタンでの無様なアメリカ軍の撤退に遡ります。既に、逃げ腰になっているのを見透かされて、何ひとつ予定通りに進まず、ほうほうの体で逃げる結果になりました。

国家総動員体制に入っているロシアの覚悟に比べ、余りにも当事者として欧州各国の認識が低いので、他人任せでは解決できませんよという事です。ちなみに、ロシアの戦車・戦闘車両の生産量は、ウクライナ侵攻前の5倍になっています。恐らく、このままだと物量に押し切られる結果が見えています。何しろ、ウクライナ側は、砲弾不足で予定していた作戦が実行できない状態ですからね。兵隊は、選挙に影響が出るので、アフリカや中東、内陸アジアの国々から、高給を餌に集めて、簡単な訓練を施した後で、最前線に送り、ゾンビ突撃を繰り返しています。ロシアとしても、死んでくれたほうが、出費が節約できるので、生き残れない戦地に送っています。既に人命も消耗品です。(一級市民のスラブ民族は除く)

このままだと、「CO2削減!」とか言って、道路を封鎖していると、銃の台尻で殴られて、場合によっては射殺される社会になるのですけど、欧州は、それで良いのですかねぇ。今、当たり前にできている事は、誰かが保障した事ではなく、その権利を守る社会があって、始めて存在できるのですが。』