韓国大統領、夫人問題収拾図る 収賄疑惑で支持率低下

韓国大統領、夫人問題収拾図る 収賄疑惑で支持率低下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM087590Y4A200C2000000/

『【ソウル=甲原潤之介】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が7日夜に放送されたKBSのインタビューで、自身の妻の収賄疑惑について初めて言及した。与党は問題に一線を引く姿勢を取り、批判が尹氏に集中。大統領の支持率が与党を大きく下回る事態に陥った。4月の総選挙を前に問題の収拾を急ぐ。

「(妻は人間関係を)冷淡に断ち切ることができなかった。問題といえば問題であり、残念だった」。尹氏は金建希(キム・ゴ…

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『問題は2023年11月に始まった。金氏が知り合いの在米韓国人の牧師から「クリスチャン・ディオール」のバッグを受け取る映像がネットで拡散した。最大野党「共に民主党」は賄賂にあたると批判を強めた。

尹氏は隠しカメラを持ち込み、総選挙を控えて映像を公開した行為は「政治工作」だと主張し、謝罪はしなかった。そのうえで「私ならもう少し断固とした態度を取っていた。断固とすべき時は断固として線を引いて行動しないといけない」と反省の弁を述べた。』

『尹氏が釈明に追い込まれた背景には与党との関係がある。与党「国民の力」は23年12月、臨時の代表職となる非常対策委員長に韓東勲(ハン・ドンフン)前法相を立てて刷新を図った。金氏の問題はこのタイミングと重なるように生じた。

夫人問題で説明を避ける尹氏と、刷新をめざす与党との対立は次第に深まった。24年1月に入り、与党幹部から18世紀のフランス革命で処刑されたマリー・アントワネットを持ち出して金氏に謝罪を要求する発言も飛び出した。

韓氏は元検事で尹氏の腹心として政界に登場した。だが夫人問題は両氏の対立にまで発展した。尹氏が与党への不信感を強め、秘書室長を通じて韓氏の辞任を要求したとの報道が出ると、韓氏は「やるべきことをする」と拒否する声明を公表した。』

『一連の問題は支持率に表れた。世論調査会社の韓国ギャラップによると尹氏の支持率は2月第1週の調査で29%となり、1カ月で4ポイント下がった。国民の力の支持率は1〜2月にかけて34〜36%で野党「共に民主党」と拮抗し、大きな変化がない。

将来の政治リーダーを聞く調査では韓氏が23年末の16%から23%に上昇し、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の26%に迫った。与党からみると知名度が高まる韓氏による党刷新を政権が邪魔しているように映る。

尹氏はこうした状況も踏まえて夫人問題の収拾を図り始めたが、支持率が回復するかは不透明だ。共に民主党は「言い訳で国民を納得させようという考えが傲慢だ」と批判を強める。

与党元代表の李俊錫(イ・ジュンソク)氏に続き、共に民主党元代表の李洛淵(イ・ナギョン)氏も4日、新党「新しい未来」を立ち上げた。将来の政治リーダーで両氏を挙げる人も4%ずついる。両氏の動きも与野党の選挙戦に影響を及ぼす可能性がある。』