インドネシア大統領選動かすジョコ氏、暗黙の国防相支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM015GY0R00C24A2000000/
『インドネシア大統領選は、プラボウォ国防相の大幅なリードで投開票日の14日を迎える。選挙で「影の主役」となったのが現職のジョコ大統領だ。終盤戦でプラボウォ氏を支援する動きを強め、支持率の上昇に一役買っている。次期政権に影響力を残す狙いがあるとされ、公平な選挙を妨げるとして批判も広がりつつある。
「大統領は選挙運動も可能で、(特定候補を)味方することもできる」。1月24日、ジャカルタの空軍基地で開か…
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『「大統領は選挙運動も可能で、(特定候補を)味方することもできる」。1月24日、ジャカルタの空軍基地で開かれた輸送機の引き渡し式で、ジョコ氏は記者団の質問にこう語った。同式典には国防相としてプラボウォ氏も参加していた。
プラボウォ氏はジョコ氏の路線継承を掲げ、同氏長男でスラカルタ市長のギブラン氏を副大統領候補に据える。それでもジョコ氏は23年10月に「すべての候補者を支持する」と語り、今回の大統領選では中立を保つとの考えを示してきた。
ここに来て、特定候補を支援できると言及したのは、自身がプラボウォ氏を支持する動きを強めていることを念頭にしたとされる。』
『ジョコ氏支援で、プラボウォ氏の支持率が50%超え
きっかけは1月5日だ。プラボウォ氏のSNS(交流サイト)で、同氏とジョコ氏がテーブルを囲み、仲が良さそうに食事をする様子が投稿された。その後、ジョコ氏は6、7日には、プラボウォ氏を支援するゴルカル党や国民信託党の党首とも相次ぎ会談した。
さらに29日、ジャカルタの陸軍士官学校の校舎完成式にプラボウォ氏とともに出席。式典後には報道陣の前で一緒に肉団子を食べる様子も披露している。
選挙戦の開始以来、ジョコ氏とプラボウォ氏が接触を公にアピールすることはなかった。公務とはいえツーショットを相次いでみせるのは、暗黙にプラボウォ氏への支援を国民に周知させる狙いがあるとの見方が多い。』
『新政権にも影響力残す狙いか
ジョコ氏は所属する最大与党・闘争民主党の党首であるメガワティ元大統領と確執を抱える。ジョコ氏は闘争民主党が推す大統領候補のガンジャル前中部ジャワ州知事ではなく、プラボウォ氏に接近していったとされる。メガワティ氏が同党の絶対権力者として君臨する中、他党の党首のプラボウォ氏の方が影響力を残しやすいとの思惑が背景にある。
ジョコ氏は1月下旬、2000万世帯以上にコメを毎月無償配布する制度を6月まで延長すると表明。貧困世帯を対象にした現金給付も実施することも決めた。食料価格高騰への対応と説明する一連の政策について、選挙前のタイミングで自身の人気を高め、プラボウォ氏を間接的に支援する狙いがあるとの見方が広がっている。
こうした動きは選挙の公平性をゆがめるとの批判にもつながっている。ジョコ氏の母校でもあるガジャマダ大学の教授や学生で構成する団体は1月末、「大統領による政治運動への公務員の関与の正当化は、民主主義の原則に対する逸脱だ」との声明を出した。同様の動きはインドネシア大学など他の主要大学の間にも広がっている。』