米連邦控訴裁、トランプ氏の免責認めず 大統領特権巡り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06E8R0W4A200C2000000/
『【ワシントン=芦塚智子】米首都ワシントンの連邦控訴裁は6日、トランプ前大統領が2020年の大統領選で敗北した結果を覆そうとした罪で起訴された裁判で大統領の免責特権を認めない判決を下した。裁判の継続を可能にした判断で前大統領には逆風となるが、前大統領は上訴する方針だ。裁判日程がさらに遅れる可能性がある。
判決は「この刑事裁判のために、トランプ前大統領は他のあらゆる刑事被告人と同様、『市民トランプ』となっている」と指摘。「大統領在任中に彼を保護していたかもしれない免責特権は、もはやこの起訴から彼を守っていない」と断じ、免責を認めなかった連邦地裁の判断を支持した。
前大統領は起訴の対象となった行為は選挙不正を防ぐ大統領としての公務の範囲内だったとして免責を主張していた。同様の行為について上院の弾劾裁判で既に無罪となっているため訴追できないとも訴えていた。判決はいずれの主張も退けた。
判決は控訴裁の3人の判事全員が支持した。前大統領陣営は声明で「大統領職と憲法を保護するために上訴する」と表明した。控訴裁の判事全員による審理を要請するか、連邦最高裁に直接上訴する見通しだ。
連邦地裁はすでに前大統領の初公判を当初予定していた3月4日から延期している。11月の大統領選で返り咲きを目指す前大統領は刑事裁判だけで4件を抱えており、選挙戦への影響を抑えるため裁判の先送りを狙っている。大統領選で当選すれば司法省に起訴を取り下げさせることができるとの思惑もあるとみられる。
刑事訴追を受けた大統領経験者はトランプ前大統領が初めてで、今回の訴訟を巡る判断は重要な前例となる可能性がある。
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察
連邦控訴裁は、トランプ氏側の主張である大統領に免責特権の主張を認めることは、大統領職を、立法、司法、行政の三権によるコントロールの外に置くことになり、三権分立により成り立っている米国の制度を崩壊させかねないとしてます。実際、米国の大統領は他の民主主義国に比べて大きな権限を持っており、トランプ氏の主張は、米国の民主制を大統領による独裁に変えかねない危険をはらんでいると考えているのだと思います。以下にニューヨークタイムズが解説付きの判決文を掲載しています。https://www.nytimes.com/interactive/2024/02/06/us/politics/trump-immunity-ruling-2020-election.html
2024年2月7日 7:36 (2024年2月7日 7:37更新)
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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説
「大統領在任中は刑事司法制度による責任追及を免れることができる」というトランプ側の主張は却下。認められたら極論すれば「大統領の大量殺人」も合法なので却下は当たり前。ただ当たり前ととらない支持層もいると思います。
2024年2月7日 3:45 』