資源国パプア、物価高で政情不安 綱渡りの政権運営

資源国パプア、物価高で政情不安 綱渡りの政権運営
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM281XB0Y4A120C2000000/

『太平洋島しょ国の資源国、パプアニューギニアの政情が不安定になっている。1月上旬に税制改革をめぐる混乱をきっかけにした市民の暴動が発生。マラペ首相が非常事態宣言を発出した。国内ではインフレや燃料不足などの課題が山積し、議会でマラペ氏への不信任決議が提出される可能性も浮上している。

マラペ氏は1月11日に非常事態宣言を発出した。前日から首都ポートモレスビーでは一般市民が商店を略奪したり、路上で発砲し…

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『暴動の発端は公務員への増税騒動

発端は公務員が対象の増税騒動だ。給与が減少した警察官らが説明を求めて議会に押し寄せた。警察や軍が機能不全に陥り混乱に乗じた市民が略奪や放火などの行為に及んだ。

マラペ氏は給与減は昨年可決した税制改革を反映する際に生じた「給与システムの不具合」と説明し、次の給与日に控除された金額を返金すると約束。事態の沈静化を急いだ。市内の暴動は徐々に落ち着き、24日には非常事態宣言を解除した。』

『マラペ氏は19年に議会で首相に選出され、22年に再選した。野望はパプアを「世界一豊かな黒人のキリスト教国」にすることだ。だが、16日までに7人の連立与党議員が抗議を表明して野党側に回るなど、今回の騒動でマラペ氏の求心力の低下が浮き彫りになった。』

『マラペ氏は外交面での活躍が目立った。23年にはインドやフランス、インドネシアの首脳が訪問。同年5月には米国と防衛協力協定、12月にはオーストラリアと安全保障協定を締結し、西側諸国との安全保障協力を深めた。一方、経済関係の強化を念頭に10月に訪中して習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談するなど、国益をにらんだバランス外交を展開した。』

『金鉱山の操業が一時停止、外貨不足に

国内では課題が山積している。その1つが深刻な燃料不足だ。パプアは金や石油など天然資源に恵まれるが、外貨不足に陥っている。同国西部に位置し、外貨の収入源だったポルジェラ金鉱山が20年に操業を一時停止し、金輸出が減少したのが一因だ。政府が運営企業の採掘権更新を拒否したのが発端だった。

国は外貨を配給制にして流通を制限したため、石油大手プマ・エナジーといった民間企業が石油製品などを輸入するのが難しくなった。プマは財務の不透明さなどから、取引する同国最大手の銀行から口座の閉鎖を求められている。外貨取引が一段と難しくなるとの観測が強まり、国内の石油製品不足に拍車をかけている。』