不法移民阻止で「国境閉鎖の大統領権限」 米上院が合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN053290V00C24A2000000/
『【ワシントン=飛田臨太郎】米連邦議会上院の民主、共和両党は4日、メキシコ国境から入ってくる不法移民の対策を巡り、合意した案を公表した。一定の上限を超える不法移民が国境を越えようとする場合、大統領が国境閉鎖に近い措置を導入できるようにする。下院は多数派を占める共和が反対しており、実現は見通せていない。
バイデン大統領は声明で「数十年前から、移民制度は破綻してきた。今こそ解決する時だ」と強調した。合…
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『バイデン政権はウクライナ支援予算を野党・共和に認めてもらう代わりに、共和が求めていた不法移民対策を進めると同意した。23年から具体的な内容を交渉してきた。
合意案はウクライナやイスラエルに対する追加支援策と一体で実施する。全体の予算の総額はおよそ1180億ドル(約17.5兆円)に達する。上院民主は予算案について近く採決に向けた手続きの開始を目指す。』
『合意案には下院共和が反対している。議会で法律を作るには上下両院の可決が必要になる。下院は共和が多数派を占めるため、法案を成立させるメドは立っていない。
11月の大統領選で共和党候補指名争いを独走するトランプ前大統領が民主と合意しないよう下院共和に求めていることが背景にある。バイデン政権の弱点である不法移民対策を解決させないようにし、選挙戦を優位に進める狙いがある。』
『バイデン政権は発足当初、トランプ前政権の厳しい移民政策を否定し「寛容な移民政策」を打ち出した。今回の合意案は方針を大きく転換するような内容だ。
不法越境が増えた背景の一つに、バイデン政権になって「米国に入りやすくなった」との過度な期待を高めたことがある。事実上、「寛容」という看板を降ろす。
移民の受け入れに積極的な民主左派からはバイデン氏への反発がでるのは確実だ。バイデン氏は大統領選を前に党内融和よりも、世論の批判への対応を優先せざるをえなくなっている。』
『多様な観点からニュースを考える
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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察 米議会の超党派の練られた妥協案を久々に見ました。1日平均の不法移民が1万人近い今、同案の国境の通過制限は即時閉鎖に近く。バイデン氏と民主党には大幅な譲歩です。交渉した共和党から劇的と評する声も。
ただ民主党も支持者の不法移民急増への不満が多く、譲歩は理解されるとの読みはあるでしょう。一方、バイデン氏が求めるウクライナ支援に断固反対は共和党強硬派だけ、不法越境対策と組み合わせれば同党穏健派は歩み寄りが可能でした。
とはいえ、妥協できたのも上院共和党にはトランプ氏の圧力が効かないから。同氏に忠実な議員が多い下院は当面は審議拒否、少数派の同党穏健派への説得が合意案成立のカギを握ると思います。
2024年2月5日 18:56いいね
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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説 せっかくの超党派の合意ですが、下院が動きそうもなく先行きはみえず。
25年ほど前なら世論はジョンソン下院議長やジョンソンを操るトランプに非難が集中したのですが、分極化の中、むしろ保守からは賛辞。
2024年2月5日 19:13 (2024年2月5日 19:41更新)
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察 上院の超党派の合意案は、右派からは不十分な国境管理、左派からは非寛容な移民対策とみなされて不満を持たれるものですが、あくまでも妥協案ですので、みんなが満足するような法案はあり得ません。
問題は、トランプ前大統領の影響力が強い下院共和党が、この案に最終的に合意できるかどうかです。
もし合意すれば、トランプ氏からの強い反発を受けますので、共和党内の穏健派と保守強硬派を分裂する方向に力が働きます。
もし合意できなければ、11月の議会選挙において、共和党は、国境管理にもウクライナ支援にもイスラエル支援にも、合意しない「反対ありき」の無責任な勢力だという攻撃材料を民主党側に与えることになるでしょう。
2024年2月5日 14:46いいね
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