[FT]「仕事はできるが嫌な人」の賞味期限

[FT]「仕事はできるが嫌な人」の賞味期限
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB136GC0T11C23A2000000/

 ※ 人間、一人でできることには、「限界」がある…。

 ※ 組織内での「地位」が上昇するにつれて、「他者との協働」という能力が重要視されるのは、当然の話しだろう…。

『FT
2024年1月22日 0:00 [会員限定記事]

「仕事はできるが嫌な人」を誰でも知っているだろう。横柄な態度で周囲を怒らせ陰口をたたかれるが、当人は出世街道まっしぐらのようにみえる。

ここでいう嫌な人とは、オンライン会議などで知ったかぶりして周囲をいらつかせるものの、あくまで正しいことをしようとする人物ではない。思いやりや礼儀を欠く心の狭い人間のことだ。自分の出世の妨げになると思えば同僚の成果にけちをつける。部下への接し方は尊大で、自分勝手に…

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『ところが一定の地位まで昇進すると、人間関係づくりが下手なことに加え、反対意見や批判に耳を貸さないという評判が仇(あだ)になる。

リーダーシップに詳しい米ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・ヒル教授は「彼らは周りに自分のことを話さないから理解されていないし、ほかの人を味方にもつけてこなかった。それに気づいていない」と指摘する。

一人でうまくやれる人は野心の強さも相まって「分別がなくなる」とヒル氏はみる。自分の行動に疑問を持たないため、なかなか共感力を育めず、自身を客観的に把握できないという。』

『ある時点に達すると、同僚との関係が大きな意味を持つようになる。スイスのビジネススクールIMDのジャンフランソワ・マンゾーニ学長は、経営委員会に加わるときに対人関係をめぐる緊張が最も高まると考える。

それまでは人のことは構わずやってこれたのに、経営委員会ではやはり出世の階段を上ってきた人たちと肩を並べて任務に当たらなければならない。

ある事業会社の人材開発責任者の話では、経営委員会のメンバーになったことでその人に経営トップの資質があるかどうかを人事担当者やヘッドハンターが調べて初めて、実は周囲から意地の悪い人間だとみられていたことが判明した例がある。「上層部はそれまで知らずにいた。その時点でその人は自動的に候補から外れた」』