ウクライナ軍兵士、とっくの昔にドニエプル川左岸での主導権を失っている
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『ニューヨーク・タイムズ紙とKyiv Independent紙はウクライナ兵士の証言を交えて「ドニエプル川左岸の作戦=クリンキーの状況は危機的だ」と報じていたが、Financial Times紙も19日「クリンキーの状況は悲惨だ」と報じた。
参考:‘Active defence’: how Ukraine plans to survive 2024
どこで防衛態勢をとるべきかは、もはや左岸で戦う者だけでの問題でなくなっている
ドニエプル川左岸の作戦に参加しているウクライナ人兵士はニューヨーク・タイムズ紙に対して「クリンキーでの作戦は自殺行為だ」「あそこに足場を築くことも装備を移動することも不可能」「こんなことはバフムートやソレダルでも見たことがなく本当に無駄だ」と、Kyiv Independent紙の取材に応じた第38海兵旅団の兵士も「廃墟にしがみつくために人が殺される」「30名で構成された偵察小隊の生き残りは2名だけ」「もう限界で作戦を続けられない」と証言して注目を集めたが、Financial Times紙も19日「クリンキーの状況は悲惨だ」と報じた。
出典:GoogleMap ヘルソン周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
Financial Times紙は「ウクライナの威信をかけた反攻作戦が失敗に終わって以降、ドニエプル川左岸の作戦は数少ない明るい話題を提供してきたが、この作戦に参加するウクライナ人兵士はクリンキーの状況が悲惨だと言う」と報じ、同紙の取材に応じたワーニャ氏(海兵隊と共に戦う偵察部隊所属)は「クリンキー付近における支配力は低下している」「ウクライナ軍は膨大な死傷者を出している」「具体的な数字は明かせないものの左岸の戦力比は1対4だ」「左岸への移動手段は小型ボートしかないため手に持てる武器しか運べない」「非常に稀なケースだが重機関銃を1丁だけ見かけたことがある」と証言。
ドニエプル川左岸での最終目標は「足場を広げてロシア軍支配地域の奥深くに新たな攻撃を仕掛けるための陣地確保」だったが、西側のアナリストやロシア人ミルブロガーは最近「ロシア軍がクリンキー周辺の一部陣地を奪還した」と主張、ワーニャ氏も「左岸の足場を長期的に維持できそうか」という質問に「そんなことは無理だ。海兵隊は攻勢ペースを維持出来なかったため、とっくの昔に攻撃の主導権を失っている」と答え、左岸から撤退しなければ強力な部隊(海兵隊)が失われるかもしれないと付け加えている。
出典:クリンキー周辺の戦況/管理人作成(クリックで拡大可能)
クリンキー周辺の状況は良く分かっていないのだが、一時的にウクライナ軍が集落内へ侵入しても「(まともな建造物や陣地がないので)留まり続ける」というのは難しく、クリンキー集落内はロシア軍支配かグレーゾーンのどちらかである可能性が高い。
因みにFinancial Times紙は「3年目の戦いを見え据えて“どこで防衛態勢をとるべきか”は、もはや左岸で戦う者だけでの問題でなくなっている」とも指摘しており、個人的には「中途半端で将来性に疑問があるドニエプル川左岸戦線は整理すべきだ」と思ってる。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 32 』