韓国23年貿易収支、対中国31年ぶり赤字 対米輸出5%増

韓国23年貿易収支、対中国31年ぶり赤字 対米輸出5%増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM010BL0R00C24A1000000/

『韓国政府が1日発表した2023年の貿易統計(速報値)によると、対中国の貿易収支が31年ぶりに赤字となった。半導体不況に加えて中国の生産活動低迷で対中輸出が22年比で20%減と落ち込んだためだ。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の米国重視の姿勢も背景に対米輸出は5%伸びた。

23年の輸出総額は7%減の6327億ドル(約89兆円)だった。輸出減少は3年ぶり。輸入総額は12%減の6427億ドルだった。貿易…

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『貿易収支は100億ドルの赤字。2年連続の赤字となったものの、22年(478億ドル)から赤字幅は縮小した。

最大輸出品目の半導体が市況悪化のために24%減の986億ドルにとどまった。石油化学は16%減、鉄鋼は8%減と素材産業も振るわなかった。欧米向け輸出が堅調だった自動車は31%増と大きく伸びた。

対中貿易赤字の要因として、政府は「(中国の)コロナ後の経済再開効果は乏しく、世界景気の低迷によって中国向け中間財輸出が振るわなかった」とした。半導体のほか化学や鉄鋼、ディスプレーなど主要輸出品目が大きく減少。現代自動車が中国工場を縮小した影響もあって自動車部品なども伸び悩んだ。

米国向け輸出は拡大を続け、23年12月の単月で20年ぶりに対米輸出が対中輸出を上回った。自動車輸出が好調だったほか、車載電池をはじめとする車部品の輸出も増えた。

輸出主導型の韓国経済にとって、単月とはいえ最大輸出先が中国から米国に入れ替わったのは象徴的だ。尹政権の米国重視政策に大手財閥も呼応し、サムスンや現代自、LG、SK、ロッテなどが米国投資を積み増している影響もある。

中国で韓国企業の生産活動は縮小を続けており、中国企業の生産能力の向上もあって韓国製品が従来ほど中国で売れなくなった。対中国の貿易収支が31年ぶりの赤字となり、対米輸出が対中輸出を上回ったのは、韓国の産業構造の転換が色濃く反映された結果でもある。

(ソウル支局 細川幸太郎)

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深川由起子
早稲田大学政治経済学術院 教授
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ひとこと解説 韓国の対中貿易は実は2013年ぐらいから構造変化が進んでいます。

韓国が供給する中間財は中国の輸出低迷の影響を被りますが、それだけでなく、パネルディスプレイや自動車部品、石油化学品など多くの分野で中国企業の追い上げが厳しくなったからです。

他方、輸入は自動車用バッテリーの部財などを中心に幅広く増大。これまでは突出した輸出品目=半導体が全体を覆い隠していただけで、市況低迷などでこれが落剥すると、貿易収支赤字となった次第。

急速な賃金上昇など韓国自身の高コスト体質問題も大きいので、構造改革は不可避ですが、政局混乱で見通しは明るくありません。

2024年1月1日 23:29 (2024年1月1日 23:30更新) 』