3輪の自転車が災害時に使えるという宣伝をしてきたメーカーは、そんなものが役に立つかどうか、実地でやってみろ。
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『歴史を学ぶと分かることは、人間は歴史からは決して学ばないということである。
すでに19世紀に、4輪または3輪の自転車で重機関銃を運搬できないか、各国軍は試した。そして、すぐに、こんなのではダメだと悟った。
タンデム2輪の自転車こそが、人類の大発明のトップ10に入るくらいの大発明なのである。これは3輪でも4輪でもダメなのだ。サイドバイサイドの2輪(リヤカーや大八車や人力車)でもダメ。なぜなら傾斜地のトラバースで車体が必然的に横傾し、荷物をいかほど低重心に積もうが、バウンド衝撃でロール転倒に至る。
タンデム2輪だけが、「キツネの歩き方」を機械で簡単に模倣できたのである。いかなる急斜面だろうと車体はロールせぬ。いわば、動物ミミックを機械であっさりと実現したところが、「自転車」の大発明たる所以なのだ。
雪の朝にキツネの足跡を見た人はいるか?
1本の破線が果てしなく延びている。キツネの足は4本あるはずなのに、1本の点線にしか見えないのだ。
前脚が踏んで安全だったところは、後脚が踏んでも安全である。だから1本線になる。
これを機械で模倣できるのは、ドライジーネ以降のタンデム2輪の自転車/スクーターだけだ。
地面の穴や木石の凹凸を、サイドバイサイドの車両は避けて通れない。3輪だと特に悪い。ところがタンデム2輪なら、すいすいと避けて通れる。段差衝撃を受けないし、ひっかからない。
しかも、密林内の植生の「刈り」巾が、足首の高さにおいて巾60センチに満たなくとも、タンデム2輪車はやすやすと通過できる。どんなコンパクトなサイドバイサイド荷車にも、この真似はできない。山中の獣道や瓦礫の町、崩落道路脇の山肌を、3輪で押し通ろうと考えるのは、実験精神の欠けた技術者のパイプドリームでしかない。
実験してみればすぐ分かることなのに、その実験をしようとしない。それが興味深い。現代人は歴史から学ばないだけでなく、実験も嫌うのである。』