米大統領、ロシア支配阻止訴え ポーランド領空通過注視
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『【ワシントン=共同】バイデン米大統領は29日、ロシアによる同日のウクライナ全土一斉攻撃を非難する声明を発表した。ウクライナを消し去って同国民を支配するというプーチン大統領の目標は変わっていないと指摘し「食い止めなければならない」と訴えた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は29日、ポーランドの安保担当高官と電話会談し、ロシアのミサイルが一時、ポーランド領空を通過したとの情報をバイデン氏が注視していると説明。ポーランドに対する技術支援の方針を伝えた。今後の対応策も協議したとみられる。
ポーランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。加盟国への攻撃は同盟全体に対する攻撃と見なされ、集団的自衛権の発動につながる可能性がある。
バイデン氏は声明で、プーチン氏がウクライナの破壊を試み、NATO加盟国にも脅威をもたらしていると指摘。「独裁者が欧州を踏みにじることを看過すれば米国も引きずり込まれる」とし、ウクライナ支援予算の早期承認を米議会に改めて要求した。
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小泉悠
東京大学先端科学技術研究センター 准教授
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ひとこと解説
ロシアの巡航ミサイルがNATO加盟国の領空に侵入するのはこれが初めてではなく、過去にもルーマニア領空を侵犯した事例があります。今回のポーランド領空もおそらく扱いとしては同じことで、警戒は強化するもののNATOとしての直接行動に出ることはないでしょう。
ただ、今後、多くの犠牲者が出るような形でロシアのミサイルによる誤爆が起きるといった事態は排除されません。この戦争によって東西間の関係性が非常に不安定化していることは確かだと思います。
2023年12月30日 7:48 』