日経平均、出来すぎからの年後半の失速 「株を枕に年越し」に不安

日経平均、出来すぎからの年後半の失速 「株を枕に年越し」に不安
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL290TI0Z21C23A2000000/

『29日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続落し、前引けは前日比69円(0.21%)安の3万3470円だった。11月以降、世界的な株高の勢いが強まり、日経平均も7月3日に付けた年初来高値(3万3753円)を取引時間中に何度も上回る場面があったが、終値ベースでの更新は来年に持ち越しとなりそうだ。12月にかけ世界の主要株価指数が今年の高値を更新するなか、日本株は失速感が残る形で2023年を終える…

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『12月にかけ世界の主要株価指数が今年の高値を更新するなか、日本株は失速感が残る形で2023年を終える。

午前の東京市場では任天堂が一時、4%上昇し、株式分割考慮後の上場来高値を更新。任天堂の上場来高値更新は2007年11月以来、16年ぶりだ。今年はトヨタ自動車や日立製作所のほか、半導体の東京エレクトロンやアドバンテストなど大型株の上場来高値更新が相次いだ。東京市場の売買代金トップが「常連」となったレーザーテックも28日に上場来高値を更新した。

日経平均は今年に入り28日までに29%上昇。このまま終えれば年間上昇率は2013年(57%)以来、10年ぶりの大きさとなる。市場では今年の相場に対し「出来すぎ」(投資助言会社の幹部)との声が多く聞かれる。東証改革に伴う低PBR(株価純資産倍率)是正期待や著名投資家ウォーレン・バフェット氏による商社株の買い増し、インバウンド需要回復、生成AI(人工知能)ラリーと好材料が相次いだ。海外投資家の買いは4月以降、活発化。日経平均が7月にかけて急伸した際は日本独自の強さを印象づけた。

だが、相次ぐ好材料を一気に織り込んだ7月が日経平均のピークだった。日経平均をダウ平均で割った「ND倍率」は6月の0.98倍台をピークに上昇が一服。年後半は米株対比での出遅れが目立った。日経平均の年間上昇率も米アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど「マグニフィセントセブン(壮大な7銘柄)」を含むナスダック100(54%強)に比べると大きく見劣りする。

失速の背景にあるのが外国為替市場での円安・ドル高の一服だ。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測と、日銀の政策修正観測が相まって、歴史的な円安・ドル高はピークアウトしたとの見方が強まった。日本株は輸出関連や海外事業比率の高い銘柄が多く、円安が株高の最大のドライバーとみる市場参加者にとっては、株高のピークアウトも近いとの見方につながる。

岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは「24年前半は欧米と比べて、金融政策の方向性や成長モメンタム(勢い)の観点で海外勢が今年ほど積極的に日本株を買う理由が乏しい」と話す。新NISA(少額投資非課税制度)などによる個人の資金流入は期待されるものの、外部環境の好材料は今年ほど相次ぐとは期待しにくい。

24年の日経平均は1989年に付けた過去最高値(3万8915円)を上回る――。4万円接近を予想する専門家もいる。ただ、「株を枕に年越し」の投資スタンスが来年も報われるのかどうかは今年後半の失速をみると、一抹の不安が残る。

〔日経QUICKニュース(NQN) 鈴木孝太朗〕』