ザルジニー総司令官、来年の戦争は今年とは根本的に異なるものになる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/general-zarzhini-says-next-years-war-will-be-fundamentally-different-from-this-years/
『ウクライナ軍のザルジニー総司令官は26日の記者会見で「来年の戦争は今年とは根本的に異なるものになる」「違いを生み出せなければ膠着状態を打開できない」「私が犯した過ちは大きな損害によって侵略が止めれられると信じていたこと」と述べた。
参考:Залужный намекнул, что в 2024 году война будет отличаться технологически
参考:Залужный считает, что только увеличение потерь РФ может остановить агрессора
参考:Работа ТЦК, демобилизация и электронные повестки: главные заявления Залужного на брифинге
戦場にスペースを作り出す技術で先んじた方が2024年の戦いを優位に進めるのだろう
Economist紙のインタビューに応じたザルジニー総司令官は「(ロシア軍を消耗させればプーチンを止められるという思い込みは)私の間違いだった。ロシアは少なくとも15万人もの戦死者を出し、これほどの犠牲者が出れば一般的な国は戦争を止めていただろう。しかしプーチンが想定している(消耗戦の規模)は数千万人を失った世界大戦レベルだった」と述べて「ロシア軍が覚悟している消耗戦の規模を見誤った」と示唆。
出典:Telegram経由
さらに反攻作戦やバフムートでの反撃についても「ロシア軍の地雷原、大砲、無人機によって打ちのめされた」「士官学校時代の教本を読んで我々が置かれている状況に気づいた」「ロシアにとって人間の命は最も安い戦争資源だが、我々にとっては最も高価ものなので戦いが長引けば動員できる人的資源の維持が困難になる。我々は解決策を探さなければならず、火薬のような新技術を見つけて素早く使いこなし迅速な勝利に結び付けなければならない」と言及した。
一般的には「航空優勢(F-16)があればウクライナ軍の反攻作戦は上手くいった」という見方があるものの、専門家の間では「F-16を投入したところで接近拒否に直面する事実に変わりはなく、この戦争に魔法の杖(ゲームチェンジャー)は存在しない」と指摘が多く、ザルジニー総司令官も「ロシアが防空能力を向上させたためF-16はあまり役に立たないだろう」「この戦争は旧世代の武器システムで勝利できないと理解することが重要だ」と述べて、膠着状態を打破するに最も重要なのは「電子戦」だと述べている。
出典:Photo by John Hamilton M270から発射されたATACMS
Economist紙のシャシャンク・ジョシ氏も「ATACMS、F-16、レオパルトが膠着状態を打開するのではなく、敵の認識力を阻害して戦場に(装甲車輌が機動できる)スペースを作り出す技術が重要だ」とザルジニー総司令官の意図を說明していたが、26日の記者会見でザルジニー総司令官も「2024年は2023年と異なる年になる。もし違いを生み出せなければEconomist紙に書かれたような問題に直面することになるだろう。私が発見した課題の約90%は解決策が見つかっている」と述べているのが興味深い。
勿論、作り出そうとしている違いの詳細には触れなかったものの「この問題に関心を持っているパートナー達も我々の意見に同意してくれた。だかこそ来年は今年とは異なると断言できる。少なくとも我々はそのために全力を尽くしている」と述べたが、同時に「(戦場への新しい技術の投入において)敵はウクライナ軍に遅れをとっておらず、あらゆる技術を駆使した激しい戦いが続いている」とも付け加えており、戦場にスペースを作り出す技術で先んじた方が2024年の戦いを優位に進めるのだろう。
出典:Генеральний штаб ЗСУ
因みにザルジニー総司令官は26日の記者会見で「私が犯した過ちは『大きな損害によってロシアの侵略が止めれられる』と信じていたことだった。この戦争で侵略者に与えた損害は『他の国を止めるのに十分なものだった』と考えているもののロシアだけは違った」「この侵略を止めるのにあと何人の犠牲者が必要なのか予測するのは難しく、この戦争が終わるまで、敵が戦闘行為を停止するまで戦い続ける必要がある」「前線では死体の山で誰もそれを運び出そうとしない。日を追う毎に死体の数は増えている。残念なことにロシア政府は自国民に対してこの様な対応をとっている」とも言及した。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
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投稿者: 航空万能論GF管理人 ウクライナ戦況 コメント: 8 』
『 qwerty
2023年 12月 27日
返信 引用
明日から本気出す的な?
5
さ
2023年 12月 27日
返信 引用
流石にこの記事を読んでその感想は、不自然では?
自分たちのやり方が正しいと信じて戦っていたが、実は間違っていた
反省して来年からは新方式で戦うから勝てると思う
思うが、相手もそのやり方を知っているから激戦になっているという感じなわけだし
5
マダコ
2023年 12月 27日
返信 引用
ザルジニー指令が言われる、従来の兵器では、この状況を打開できない事は非常に理解できます。ただ、電子戦が鍵になるのか?も分からないところで、ロシア側は既にそれを大きく展開しており、ウクライナ側がそれを仕掛けても大幅に優位になることもないでしょう。ミノフスキー粒子のガンダムではありませんが、より、白兵戦的な状況に近づくだけで、近接戦と砲撃の色が強くなるだけだと予想します。見たところ、兵の練度も砲と砲弾の数も、今や完全にロシアが上だと思っています。
勿論私などは素人であり、ザルジニー指令が、思いもよらぬ作戦を考案していないとも言えないわけですが。
4
さ
2023年 12月 27日
返信 引用
完全な妄想ですが、WW2のドイツによるフランス侵攻時の電撃戦の様に、
「敵戦力が薄い所に戦力を集中して相手の後方ひいては戦線を瓦解させる」を狙っているのでは?
そして電子戦によって、相手にその目標(戦力の薄い所)を悟らせない、
もしくは欺瞞などにより意図的にそのような場所を作らせる、という感じの様な気が
これなら総数でなく、その場への戦力の集中度で何とかなる、かもしれないから
マダコ
2023年 12月 27日
返信 引用
ここまで、過去の戦争近い状態になった以上、過去に使われた戦術は大いに活用される事もあるかもしれませんね。。電子戦で、どこまで過去に戻るのか?、どの時代の最適解に合わせるのか?というような、双方が過去の成功例を引き出しにしたような戦術が使われる可能性は大いにありそうです。
勿論妄想ですが。。
無明
2023年 12月 27日
返信 引用
> ロシアにとって人間の命は最も安い戦争資源だが、我々にとっては最も高価ものなので戦いが長引けば動員できる人的資源の維持が困難になる。
むしろウクライナの方が総動員で得た兵力を使い捨てにするのに積極的だった気がするんだけど
4
2023年 12月 27日
返信 引用
こういう欺瞞的な態度が癪に障るんだよなあウクライナ
1
猫猫猫
2023年 12月 27日
返信 引用
ザルジニーの今年の反省と来年の抱負か。
ただザルジニーは現在どこまで実権を握っているのか?
ゼレンスキーがザルジニーを通さず直接各司令官に指示を与えてるとの報道もあった。
マリンカの失陥についても現地軍報道官とザルジニーとは違うことを言ってる。
ザルジニーの権限が大きく削られてお飾りの総司令官になりつつあるなら来年もザルジニーの言う違った戦争になることはなく、単なる消耗戦が続くだけになるだろう。
1 』