※録画していたNHKの「やなせたかし」追悼特集を視て、私は察することができた。
https://st2019.site/?p=21710
『※録画していたNHKの「やなせたかし」追悼特集を視て、私は察することができた。
S20の中支戦線で劣悪な給養が続き、かつて酒保で間食用に兵隊向けに売られていた「あんぱん」が、白日夢として虚空から飛来するように見えたのに違いない。戦友の顔までが「あんぱん」に見え、それにかぶりつきたいという渇望をおぼえたのだろう。
『戦史叢書 南太平洋陸軍作戦 <2> ガダルカナル・ブナ作戦』には、こんな史料が引かれている。S17-10-27~の歩29Rnの某中隊長の日記だ。
27日。約三日、食べていないことで、歩くことさへ不能。坂道でフラフラしてダメ。一日、耳掻き1杯の塩と、てのひらに1つの粥。10-29、朝食は茶碗に半量。太陽が出ても、身体が動かない。10-31、焼きそば、てんぷら、うどんが、頭の中で一杯だ。考えまいと想っても、他のことが浮かんでこない。……
この現象が、やなせ氏にも起きたのだろう。
日記の中隊長氏は、将校になって以来、酒保であんぱんなど買う地位ではなく、常に夜食を路上の屋台の麺類とするパターンだったのかも……。』