~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月20日(水曜日)
通巻第8057号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
共和党エスタブリッシュメントは反トランプ。舞台裏で暗躍
ペンスに代替できる候補として、デサンティスからヘイリーに乗り換える動き
****************************************
日本では政治資金集めのパーティ券をめぐって、じつにちまちました、重箱の隅のつつく後ろ向きな捜査、裏金をなにか重大犯罪のように喧伝するメディアによって、政治に明るさも希望も見いだすことが難しい。国家には機密があるように政党にも秘密資金が必要である。問題は、日本の政治家がそれを機密工作には使わず、宴会費用に流用してきたことだろう。ま、夜の料亭で日本の政治は成り立ってきたんだから。
さてアメリカの政治資金のはなし。募金は大胆かつダイナミック、広域にわたるが、PACという特例の機構が認められ、大統領選挙資金を効果的にあつめるメカニズムが存在する。
このPACの状況に異変がおきている。共和党エスタブリッシュメントはアンチ・トランプなのである。
そして反トランプ候補とRKJに大口の献金を始めているのだ。
「共和党エスタブリッシュメント」というのは分かりやすく言えば、ブッシュ親子やチェイニー元副大統領、トランプに敗れたミット・ロムニーらで、じつは党の主流派である。トランプは非主流派、しかし多数派というねじれ現象がある。
▼ニッキー・ヘイリー急浮上の背後
いま注目されているのは共和党の「チーム・スタンド・フォー・ アメリカ(SFA=2022 年11月設立)というPACで、23年上半期だけで700 万ドルを調達した。
この資金の殆どがニッキー・ヘイリー陣営に流れた。つまり共和党のエスタブリッシュメントは、反トランプの旗を掲げ、すでに降板したペンスに代替できる候補として、デサンティスからヘイリーに乗り換える動きを示したことを意味する。
ヘイリー候補(元国連大使)は秋頃まで5%の支持率で低迷していた。それを10%台に押し上げ、二位のデサンティスに猛追し、アイオア州などではトランプに次いで二位をつけている。SFAに潤沢に集まった資金を含め、ヘイリー選挙委員会は1870万ドルを調達した。
とくに大口献金者に注目である。
ウクライナ系アメリカ人ヤン・コウムはSFAファンドに500万ドルと言う破格の寄付をなした。彼はWhatsApp の元CEO。同社はフェイスブック に193億ドルで買収され、コウムは153 億ドルの大富豪となった。
彼は共和党の大口献金者であり、「共和党ユダヤ人連合勝利基金」、「統一民主主義プロジェクト(UDP)」にも寄付している。
ベンチャー・キャピタリストのティム・ドレイパーはSFAに125万ドルを寄付した。『フォーブス』は、ドレイパーの資産が12 億ドルあると見積もる。
ヴィヴェク・ガリパリは「クローバー・ヘルス」社の共同創設者で、SFAにポンと100万ドルを寄付した。この医療起業家は民主党にも献金してきた。
▼新興のベンチャー起業家らはなぜ反トランプなのか?
ローレル・アスネスはAQRキャピタル・マネジメントLLCの経営者でSFAに100万ドルを寄付した。彼女は共和党全国委員会(RNC)、全国共和党議会委員会(NRCC)、全国共和党上院委員会(NRSC)などに一貫して献金してきた。
アスネスは反トランプ前大統領の政治資金団体である「プリンシパルズPAC」に100万ドルを寄付した。2016年の大統領選ではマルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州)陣営に100万ドルを寄付した。
いまも、レースに残る元ニュージャージー州知事、クリス・クリスティにも25万ドルを寄付している。
以下の富豪たちも共和党支持でありながら反トランプの政治委員会へ寄付し間接的にニッキー・ヘイリーを支援している。
クリストファー・レドリッチ・ジュニアは「グラッドストン財団」理事。スタンフォード大学フーバー研究所の監督委員を兼ねる。クリストファー・レドリッチ・ジュニアはSFA基金に総額100万ドルを寄付した。
スティーブン・スタルはアドバンテージ・キャピタル・パートナーズの社長で、やはり100万ドルを寄付した。
ロナルド・サイモンは「RSI エクイティ パートナーズ」の創設者兼会長で、SFA基金に100万ドルを寄付した。
☆◎○☆み□☆☆□や☆◎☆□ざ☆□△◎き◎□☆◎