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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月20日(水曜日)
通巻第8057号 <前日発行>
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中国の顔認証「センスタイム」、創業者の唐小欧が急死
AI駆使の技術開発大手、センスタイム株が暴落
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チベット、ウイグル自治区での自由を求めた民衆の声を踏みにじり、活動家を徹底弾圧したとき、活用された技術の一つがAI活用の顔認証である。
2021年に米国政府は中国「センスタイム(商湯集団)」への投資を禁止した。理由は新疆ウイグル自治区における人権侵害にセンスタイムの監視カメラ、就中、顔認証技術が寄与したからだ。トランプ前政権下で既にセンスタイムはブラックリストに載っていた。
西側はプライバシーの侵害という問題があって、特定犯人の写真や画像の公開は抑制されるが、プライバシー保護の観念がない中国では「威力」を発揮する。
六万人収容のスタジアムで、顔認証技術を活かして入場者の画像を解析し、その場で指名手配されていた三十数名が逮捕されたという「実績」を誇る。
12月18日、このAI顔認識技術の、中国における第一人者で「センスタイム」創設者の一人、唐小欧が急死した。
同日、センスタイムの株価は香港株式市場で11%下落した。同社株は「中国AI」のモデルとしてトップの地位にあった。上場時の最高値から五分の一となった。
唐小欧はマサチューセッツ工科大学に学び、香港中文大学の教授らと共同で AI に特化した企業を設立した。AIの顔認識技術の中国の大手企業となり、フォーブス誌は香港で33番目の大富豪と見積もっていた。
センスタイムは唐小欧をリーダー格に生成AIに乗り出して、事業の多角化を進める矢先だった。
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