ウクライナのEU加盟交渉 ロシアが見せる表と裏

ウクライナのEU加盟交渉 ロシアが見せる表と裏
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『ロシアのペスコフ大統領報道官は15日、欧州連合(EU)が前日にウクライナとの加盟交渉を始めると決めたことについて「ロシアを不快にさせる」ための政治的な決定だと反発した。ロシアは表面的にはウクライナのEU加盟に反対していないが、交渉の進展を阻もうとする可能性がある。

ペスコフ氏は15日、記者団にウクライナとモルドバ、ジョージアの旧ソ連3カ国のEU加盟交渉入りについて、各国の状況は加盟基準にはほど遠…

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『ペスコフ氏は15日、記者団にウクライナとモルドバ、ジョージアの旧ソ連3カ国のEU加盟交渉入りについて、各国の状況は加盟基準にはほど遠いとの見方を示した。交渉には「何年も何十年もかかる可能性がある」とも指摘した。

ロシアは安全保障上の強い懸念から、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟には断固として反対してきた。一方、経済統合を柱とするEUへの加盟交渉に関しては「ウクライナと欧州諸国の問題だ」(プーチン大統領)と静観してきた。

ただ、ロシアは本音ではEU加盟交渉に強い懸念を抱く。ペスコフ氏は15日、「こうした新しい加盟国はEUを不安定にする」と指摘した。加盟問題に関して、ロシアは無関心でいられず「注視している」と語った。

プーチン政権の他の幹部もウクライナなどのEU加盟交渉に否定的だ。メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は11月8日、通信アプリの「テレグラム」で「EUの全面的な弱体化、ユーロの信認低下や他の不快な病を伴うだろう」と述べた。

ウクライナのEU加盟の方針に関して、ラブロフ外相は2022年5月13日、記者団に「EUが攻撃的で戦闘的なプレーヤーに変質し、欧州大陸の境界を遠く越えた(地域への)野心をすでに表明している」と強い警戒を示したことがある。

その前日の22年5月12日に掲載された英メディアのインタビューでは、ロシアのポリャンスキー国連次席大使が、ウクライナのEU加盟について「ロシアの立場は変わった」と語り、ウクライナのNATO加盟問題に近い立場になったと主張した。

軍事侵攻さえいとわないロシアが、旧ソ連の一部で兄弟国家とみなすウクライナのEU加盟交渉を傍観するとは考えにくい。長期に及ぶとみなす加盟交渉の過程で、ゼレンスキー政権の転覆工作など様々な手段で阻止を試みる恐れがある。』