オーストラリア、移民増加で住宅価格高騰 抑制論も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB06BVD0W3A201C2000000/
『オーストラリアで移民の増加を受け、住宅価格が高騰している。労働市場の逼迫に備えて移民受け入れを続ける必要がある一方、住宅に手が出ない国民の不満は高まっている。移民抑制策を打ち出せば効果的との声もあがっているが、移民大国の豪州で支持を得るのは難しい。アルバニージー政権にとって深刻な課題となりつつある。
2023年3月までの1年間で豪州への移民は45万4000人の純増となった。過去10年間の平均の2…』
『過去10年間の平均の2倍に達した。同期間の人口増加率は2.2%で、総人口は約2650万人となった。専門家からは「豪州の移民はピークに達した」との見方も出ている。
結果として、初めて住宅を購入する層が市場から締め出されている。建設業界は人手不足や金利上昇、資材のインフレ圧力に見舞われており、需要に供給が追いついていない状況だ。
住宅価格の上昇は賃貸市場にも波及している。豪州では2020年以降、賃貸物件の賃料が全国で30%程度上昇している。今年初めの空室率が過去最低の1%を記録したとの試算もある。
金融コンサルタント会社のジェラルド・ミナック氏によると、過去10年間の移民の増加が住宅需要を刺激し、住宅価格と家賃の上昇圧力になっているという。「移民の受け入れ数を減速させていく必要がある」と主張した。不動産投資の売却益に対する税制改革も考慮すべきだという。
ただ、移民の抑制策に関して、移民大国の豪州では慎重論が根強い。制度改革に踏み込めば政治的なリスクを負う可能性がある。
クイーンズランド大学のドリーナ・ポヤニ准教授(都市計画)は、現在の不動産市場の逼迫は移民増加と無関係ではないものの「新型コロナウイルス禍で入国者がほとんどいなかった時に(住宅)価格が上がり始めた」と指摘した。政府は公共住宅の提供に注力する必要があると指摘した。
(寄稿 メルボルン=JJ・ローズ)』