6月15日、ブリュッセルのNATO司令部内会議室で、オースティン米国防長官はイライラしていた。

『Washington Post Staff 記者による2023-12-6記事「Inside the counteroffensive, part 1: Miscalculations, divisions marked offensive planning by US, Ukraine」。

  ※WPの記事は今日では無料では読めないのだが、星条旗新聞が転載してくれたので読めた。残念だが本日はいそがしいため、熟読していられない。

 6月15日、ブリュッセルのNATO司令部内会議室で、オースティン米国防長官はイライラしていた。相手はウクライナのひげねずみラズニコフ国防相(がんらい法曹家)。
 オースティンは問い詰める。なぜウクライナ軍は、おれたちが供給してやった地雷原啓開装備を使っていないのか。なぜ前進するときに煙幕を利用して部隊を隠すという初歩的な手順を踏まないのか。露軍の防衛線がぶあつくても、露兵は無敵ではないぞ、と。

 ひげねずみは答えた。宇軍においては各級指揮官が決定権をもっており、かれらの好みで、それらをしていないのだと。

 さらに付け加えた。宇軍のAFVは前進しようとするたびに片端からやられている。露軍のヘリ、ドローン、砲兵火力によって。

 ひげねずみいわく。航空支援が得られない以上は、唯一の可能性は、こっちも砲兵で敵陣を叩くことだ。そしてこっちの歩兵は、敵に狙われやすいIFVからは下車し、徒歩で前進するしかない。

 機動戦闘なんてできない。地雷原が濃密すぎるし、敵の戦車も待ち伏せている。

 この会合は、反転攻勢の発起から2週間未満のできごとであった。

 WP取材班は関係国の30人以上の高官にインタビューして掴んだ。こんどの反転攻勢の作戦計画は米軍が書いた。それが大きな失望をもたらした。

 作戦策定の前に、米軍、英軍、宇軍の参謀たちが集まって8回、兵棋研究を実施した。
 米英側の誤算は、ウクライナ部隊が短時間で西側式に生まれ変わると予期したこと。なおかつ、エアパワーの強化抜きでそれを期待したこと。

 米軍は、露側が陣地を強化する前の4月中旬の攻勢発起を主張した。宇側は、現状の兵器と訓練ではそれは無理だと考えた。

 米軍の参謀は、機械化軍の正面攻撃を米軍式に実行すれば、60日ないし90日で宇軍はアゾフ海まで到達できると確信していた。

 米参謀は、主攻軸を南方にすべしと主張。ゼレンスキーはそれに反対。南方ではメリトポリとベルディヤンスクの2軸からアゾフ海へ。同時に東部ではバフムトへ押し込むべきだと宇側は主張。

 米国側でも、情報部局は、より懐疑的だった。露軍の陣地を相手に、成功の可能性は半々だろうと見ていた。
 米英宇は、不利な状況下での露兵の粘りも下算していた。士気崩壊していると期待していた。

 X日が近づくにつれて宇軍高官は、この攻勢は破滅的損害を結果するだろうと恐怖した。米参謀は、決定的な突撃をしなければぎゃくに損耗が増すのだという考え。

 ミレイ大将はドイツにてウクライナの特殊部隊に勧めた。敵陣の後方を、挺進部隊を使って絶え間なくおびやかしてやれ。

 南方に全力を集中してアゾフ海まで突出させた場合、60~90日で目標を達するが、宇軍の損害は3~4割になるだろうと米参謀は計算していた。
 米軍は戦後、航空支援なしの陸戦なんてしたこともないのに、米参謀は自信満々だった。

 米軍の計算では宇軍は月に9万発以上の十五榴のタマが要る。しかるに米国内ではその十分の一の生産しかしていないのだ。

 サリヴァンが韓国に着目した。155㎜砲弾を33万発、韓国から空輸+海送するのに41日で足りると。
 ただしソウル政府が承認するならだ。韓国の法律では紛争地へ武器は送れない。

 けっきょく韓国は、欧州各国から供給した合計量よりも多い十五榴砲弾を宇軍に提供した。

 クラスター砲弾DPICMの供与については、ブリンケンが強く反対したが、サリヴァンが推進した。

 ※NHK-BSがマウリポリ開戦時のAPの映像特番を放映していたが、マリウポリで砲撃が始まるや商店の略奪が起きたというところが重要情報だと思った。南部では住民が団結していないのだ。だから南部のために東部の兵隊を犠牲にすることは、ウクライナ政府は反対だったのだろう。東欧ではどいつもこいつも自分個人のことしか考えていないために、自業自得的に戦禍が見舞うという構図がある。2014年からの8年間、おまえらは何やってたんだ? 』